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  • win-winネットワークを進化させ、ハイパーサイクルを出現させる

    win-winネットワークを進化させ、ハイパーサイクルを出現させる

     

    生存競争というパラダイムにとらわれたネオ・ダーウィニストの頭を悩ませたのは、自然界に存在する利他的な行動の存在です。

    個体、または、1つの種に注目して生存競争を考える場合、利他的な行動は不利なだけです。

    Aという種が、Bという種の生存を助けることは、Aにとって何のメリットもなく、敵に塩を送るだけで終わります。多くの人は、このような生存に不利な行動が進化することを理解できなかったのです。

    この問題に取り組んだのが、ドイツの生物学者M.アイゲンです。

    アイゲンは、利他的な行動が自然界で淘汰されずに生き残ることを説明するために、ハイパーサイクルというものを考えました。

     

    アイゲンは、1つの種に注目するのではなく、種のネットワークを考えたのです。

    例えば、A、B、C Dの4つの種があって、

    AがBを助け、BがCを助け、CがDを助け、DがAを助けるというように利他的な行動がぐるっと一回りしていれば、4つの種はともに生存率が高まるのです。

    hyper2

    アイディアを持った個人や小さい会社が、いきいきと生きるためには、経済力とブランド力を持った大企業と共存しなくてはなりません。

    しかし、それを単独でやることはとても難しいことです。

    では、どうしたらよいのか?

    そのヒントになるのが、アイゲンのハイパーモデルです。

    起業家たちのコミュニティができて、そこで様々なWin-Winの関係を作っていくことで、助け合いの循環を生み出していくことが、生き残りのための有効な戦略なのです。

     

    ヒエラルキーの内部における関係性が上下関係であるのに対して、コミュニティから生まれるWin-Winの関係はフラットな関係。

    しかし、上下関係では命令する側と従う側という役割が明確なのに対し、フラットな関係は役割がはっきりしないため不安定になりやすく、カオスを生じやすいのです。

    だから、カオスを創造に結び付けていくコミュニケーション能力、ファシリテーション能力が必要になってきます。

     

    また、どうやったらWin-Winの関係を築くことができるでしょうか?

    自分の強みと弱みを理解した上で、自分のビジョンを相手に伝えないといけないし、相手の強みと弱み、ビジョンも理解しなければならないのです。

    誰と、どんな風に組むのかということが大切になってくるのです。

    なんだか難しそうですね。

     

    でも、意外と難しくないんですよ。

    どうすればいいのか?

    今、このプロジェクトで起こっていることが、そのヒントなんじゃないでしょうか?

    自分の思いをオープンにしておもいっきりアウトプットしていくと、それを見てシンクロしてくれた人が向こうからやって来てくれます。

    あなたの存在を尖らせていけば、周りの人があなたを見つけてくれるのです。

    そして、できるときは、周りの人を繋いでいきましょう。

    どんどんコラボしてWin-Winの関係を作っていきましょう。

    余裕があれば、人のために動きましょう。

    あちこちで化学反応が起こって、ネットワークが複雑に成長し、人のために行動する人が増えるほど、コミュニティ内でハイパーサイクルが生まれる可能性が高まるのですから。

     

    Noovo物語9

     

    起業家を増やすには

    人々を鼓舞して一つでも多くのスタートアップを実現する、リソースを与え、気持ちを持ち上げると同時に、勝負に出ることが脱中央集権型の経済を構築するための重要な方法であることも伝えていく。人というものは概して、起業について自問しすぎるきらいがある。冒険を始めるということは常に自分自身との戦いであり、それでいて始めかけのうちは、始めたことにすらならない。始めてしまってからが、本当のスタートなのだ。スタートアップの企業を――実際に始めてみると、手ごたえはあるのだが、ごくシンプルな問題、たとえばどうアイディアを適用するとか、スローモーな生産、メンバーも固定せず、それでいて然るべき給与配分などなど、こうした避けては通れぬ問題を乗り越えるためのノウハウを持っている企業はほとんどない。本当のスタートというのは、この手の問題を乗り越えて、会社が運営されている状態になってからの話なのだ。だからこそスタートアップがほぼ99%の確率で失敗するという話になり、ちゃんとスタートするその前からコケてしまう。起業家たちが、予測能力(prediction power)について話すのをよく耳にするが、不幸にして、それは厄介な状況を乗り越えながら得られるもので、未来にある問題を予測し、そしてその先の解決策を準備することだとも言う。予測能力は決断を迫られる人間にとっては大変に重要なものだが、予測能力は経験をへて得られるものだし、スタートアップの事業主に、そういったものが備わっている方が少ない。離れた場所から、失敗を怖がるばかりで起業に踏み切らないとしたら――それはあまりにバカげた話ではないだろうか。こういうことを考えついたのは私一人が最初ではないし、過去にそう考えた人も大勢いて、今現在もそう思う人々がたくさんいる。この思想が大規模なブログ/コミュニティーであるentrepreneur.comやInc.comの立ち上げにつながった面もあるのだろう。Inc.comはスタートアップ企業寄りで、entrepreneur.comは、起業家同士をつなげることに狙いがある。SNSではなく、意見交換を行うフォーラムを通してなのだが、これがなかなかうまく行っている。

    昨日、トレーダーであり、社会的なパラダイム・シフトを狙う、CEOのショウジ・タカユキと話す機会があった。マサトから最初に紹介されたのが数か月前で、その時に三人でミーティングを行った。Manaboxという彼のアイディアはその当時、私にはどっちつかずにしか思えなかったのだが、昨日、彼の頭の中にある発想をいくつも耳にして、そのうちの一つに私の興味がぐぐっと惹きつけられた。彼がやろうとしているのは、起業家と、起業家のタマゴ、そしてヒエラルキーに嫌気がさして自ら起業家になろうとする者たちのコミュニティーづくりだ。そのことについて話し合い、規模の大小を問わず経験を積んだ起業家たちと、生き生きとしたライブ・ディスカッションをする方法、そして人々がそれに耳を傾けることが、試行錯誤を減らすことにつながるのではないかと話し合った。もちろん、ブログや動画などその他メディアとも連携していく。起業家側には自社製品をウェブサイト上で販促することができる上に、起業家のタマゴを支援をすることで、自社のファンを獲得することができる。起業家同士のネットワークは試行錯誤を減らすだけでなく、相互支援の輪も作り出せる。私のように自分のアイデアを隠れ蓑にするタイプが言うことではないが、会社というのは人そのものだ。

    これもほんの一日二日前の話なのだが、私とマサトとで、ヒエラルキーをぶっ潰すためだったり、その思想に戦いを挑んだりしようとして、無駄な労力を費やすことにならない、そんな方法はないかと話し合っていた。それには、新しく、小さなヒエラルキーを次々と生み出すこと。そうすることが、ヒエラルキーの無効化につながるのではないだろうか。
    (原文:INSPIRING PEOPLE TO BUILD MORE STARTUPS

     

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  • 時代の精神によってシンクロが起こる

    時代の精神によってシンクロが起こる

     

    人と人とが繋がっていくためのステップとは、どのようなものなのでしょうか?

     

    僕の場合は、その人が発信する情報などを見て、直感的に

    「あ、この人、いいな!」

    と思うのが最初のステップ。

    一緒にプロジェクトをやるようになったりして、共通体験を通して関係性が深まっていくのが2番目のステップ。

    個人的なこととか、いろんなことを安心して話すようになって、信頼できるようになるというのが3番目のステップということになっている気がします。

     

    杉岡一樹さんのクラウドファンディング

    マイシンボルアートの杉岡一樹さんと繋がったきっかけは、VoiceLinkというWebシステムだったのですが、改めてつながったのは、杉岡さんが「世界平和とカードゲーム」のことをブログ記事に書いていたのを読んで、「この人、自分と同じようなことを考えている!」と思ったことでした。

    それで、メッセージを送って、やり取りをするようになりました。

    次のステップは、杉岡さんのクラウドファンディング挑戦でした。自発的に杉岡さんを応援することに決め、杉岡さんにカードゲーム販売の会社を起業するまでの話をブログに連載してもらいました。さらに、杉岡さんと信頼関係で結ばれていた南佳介さん、森幸代さんにも協力を呼びかけ、3人で物語を書いていくということをしていきました。僕も、それにシンクロさせながら、自分のことを書いていきました。

    クラウドファンディングは不達成だったのですが、1か月にわたり一つの目標に向けて取り組み、自分の考えを書いていったことで、杉岡さん、南さん、森さんのことをよく理解できるようになりました。また、共通体験を通してチームができあがりました。

    その後、いろいろな会話をしていく中で、関係性が深まり、信頼関係ができていきました。

     

    マイシンボルアートのサポートチーム

    次に、この4人を核にして、杉岡さんの収益化をサポートするチームを作りました。反転授業の研究グループから、キャリア教育やビジネスに関心のある友人を誘って、10名ほどのチームができました。

    杉岡さんを収益化するというゴールへ向けて、10名のチームで協力してブレストしたり、Webマーケティングの調査をしたり、商品のアイディアを考えたり、いろいろやっているうちに、「マイシンボルアート」というサービスが見つかりました。

    そして、杉岡さんが、チームのメンバーから順に、一人ずつ丁寧にマイシンボルアートを作っていきました。

    このプロセスを通して、2つのグループが1つに融合し、1つのチームが出来あがりました。

     

    ここでは、とても興味深い発見がありました。それは、

    「信頼した人の紹介なら、信頼できる」

    ということでした。

    信頼できる人を接着剤にして、次々と人が繋がっていくのです。

    この場合は、杉岡さんの収益化プロジェクトに反転授業の研究のメンバーを誘ったのですが、「田原のやっていることなら面白そう」ということで、信頼を担保にして参加してくれたのだと思います。

     

    僕自身も、杉岡さんにマイシンボルアートを実際に作ってもらいました。杉岡さんと対話する中で、自分のコンセプトが「枠組みを出て成長すること/枠組みを出て成長することを促すこと/ムーブメントを起こしてみんなで枠組みを出ていくこと」だということが見えてきました。そして、それを杉岡さんが抽象的なデザインの中に織り込んでくれました。

    マイシンボルアートができたことで、自分自身が進む方向性が明確になり、行動しやすくなったことを感じました。

     

    杉岡さんとエインの出会い

    次々と、その人の心を探索しシンボル化していくマイシンボルアートの活動を通して、杉岡さんのコンセプチャルアーティストとしての実力に圧倒されました。

    そして、杉岡さんと結び付けたら面白いんじゃないかなという人が頭に浮かびました。

    それが、20歳の起業家エインです。

    彼女は、アーティストの母親のもとで絵を描きながら育ち、独創的な絵、写真、ビデオ、音楽を創ります。

    杉岡さんとエインがコラボしたら、すごいことになるんじゃないかというイメージが湧きました。

    そして、この二人を結びつけることにしたのです。この田原真人.comは、杉岡さんとエインのコラボで生まれました。

    マイシンボルアートのコンセプトを杉岡さんが動画にし、僕の活動のイメージをもとにエインがサイトの構築をしました。

    ここでも、僕との信頼関係を担保にして、杉岡さんとエインが結びつくことができたのです。

     

    南さんが庄司誉幸さんを繋げてくれた

    人を繋げていくだけでなく、繋げてもらう経験もしました。

    南さんから、「盟友の庄司誉幸さんを紹介したい」という話がありました。

    庄司さんは、株式会社Academia Linksの代表で、ビデオ会議システムを使った教育事業を展開するために事業を立ち上げているところでした。

    信頼している南さんが「盟友」と呼ぶ人なら、信頼できるんじゃないかと思ってスカイプで話すことにしました。

    庄司がさんがやりたいことは、オンラインで学びをフラットにしていくことと、起業家の育成でした。

    これは、僕がずっとやりたかったことと近いものでした。

    ビデオ会議システムを使ったアクティブラーニングのノウハウは僕のところにあり、庄司さんのところには運営を可能にするチームがありました。

    そこで、Academia Linksのアドバイザーに就任することになりました。

    さらに、杉岡さんもデザインとブランディングに関わることになりました。

    これは、南さんに対する信頼があったからこそ、繋がることができた縁でした。

     

    青い街&Noovoサポートチームができた

    縁はどんどん広がっていきました。

    エインがクラウドファンディングに挑戦したため、マイシンボルアートのサポートチームに協力を呼びかけました。

    杉岡さんの株式会社青い街とエインのNoovoは、どちらも個人をブランディングしていくことで世界をフラットにしていくための試みで、デザイン素材を作るのが得意な杉岡さんと、Web構築が得意なエインがコラボすることで、ともに手を取り合って発展していく関係になっているからです。

    杉岡さんと僕に対する信頼関係を担保にして、チームのメンバーが支援してくれることになりました。

    僕は、エインに自分が考えていることをアウトプットしてくれるように頼みました。すると、エインは文章と動画をすごい勢いでアウトプットし始めました。

    その内容と質に反応した人たちが、自ら翻訳に取り組んでくれました。

    呼びかけたその日に、横川淳さんと杉岡さんが手を上げて下さり、横川さんはそのままNoovoのサポートチームに入ることになりました。

    さらに、古山竜司さん、江藤由布さん、ギュンター知枝さんが翻訳を手伝ってくれ、ついにはプロ翻訳家の南佳介さんも参加。

    エインの文章がどんどん高度になってきたことで、江藤さんと南さんの独壇場に。この二人による超高速翻訳によって、エインの文章が次々と広まっていきました。

    翻訳で読めるようになったことで、多くの人に読んでもらえるようになり、共感の輪が広がっていきました。

     

    庄司さんとエインとが繋がった

    物語はさらに展開します。

    エインが制作したビデオのクオリティに驚愕したAcademia Linksの庄司さんが、エインさんにコラボを申し込むことになりました。

    庄司さんが進めているManaboxは、学びと起業家育成によって世界をフラットにしていく取組み。僕もアドバイザーとして関わっています。

    エインのNoovoは、個人は小さいビジネスのブランディングを支援することによって世界をフラットにしていく取組み。

    さらに、エインと僕が計画しているKnowCloudは、オンラインでの探究学習、協働学習によって好奇心からの学びを促進し、学習者が枠組みを出ていくことで世界をフラットにしていく取組み。

    お互いのビジョンを知ったことで、必然的に結びついてきたように思います。

     

    シンクロによって自己組織化が起こる

    僕が、大学院で研究していたときに取り組んでいた自己組織化。

    それは、シンクロによってみんなが揃っていき、ついには大きな構造を生み出していくのです。

     

    いま、僕の周りのみんなが考えていることは同じなんです。

     

    世界をもっとフラットにしたい

     

    これは、同じ時代を生きている僕たちの中にじわじわと広がっている共通した思いなのではないでしょうか。

    共通の思いによってシンクロが起こっているのです。

    でも、お互いが考えていることは見えないので、繋がるためには、みんなでビジョンを語り合う場が必要なんですね。

    クラウドファンディングを利用して、みんながビジョンを語り合う。そして、繋がるべき人と繋がってコラボしていく。

    どんどん思いをシンクロさせていく。

    そして、どんどんつながっていく。

    そして、ムーブメントを起こしていく。

    これが、僕の狙いです。

    みなさんが観客席から抜け出して、このドラマの舞台に上がってくると、この即興劇はどんどん面白くなってきます。

    あと3日でどんな結末を迎えるのでしょうか?

    予想を超えた結末がやってきそうな予感がしています。

    あなたもぜひ、舞台に上がってきてください。

    そして、結末に影響を及ぼしてください。

     

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  • 明峯哲夫さんを偲ぶ

    朝起きたら、一通のメールが届いていた。

    それは、僕が尊敬する人の一人、明峯哲夫さんが食道ガンで亡くなったというお知らせだった。

    僕は、明峯さんから、たくさんの大切なものを受け取っているので、それをここに書いておかなければならないと思って、この記事を書いている。

    akemine

     

     

    僕が明峯さんと出会ったのは、28歳のとき。

    大学院を中退して、茨城県の水戸市にある智森学舎予備校で物理を教え始めたときだ。

    そのときの僕は、それまで目指していたアカデミックな世界から離脱したばかりで、どうやって生きていったらいいのか分からない状況だった。

    そんなときに、講師室で話しかけてくれたのが生物講師をやっていた明峯さんだった。

     

    明峯さんは全共闘世代。北海道大学で博士課程の学生だったときに学生運動に加わり、その結果として大学院を中退し、在野の研究者となったことを知った。

    「在野」という道があるということを知ったことが、僕にとって生きていく希望となり、明峯さんは、そのロールモデルだった。

     

    毎週月曜日、講師室で明峯さんと話をするのが、その頃の一番の楽しみだった。

    明峯さんは、在野の農学者として様々な活動をしていて、あちこちに書いた記事のコピーを僕にくれた。

    僕は、そのコピーを読むことで、明峯さんの活動や思想を理解した。

    明峯さんは僕に、

    「自分で勉強していけば、あっという間に大学の先生よりもいろんなことに詳しくなりますよ。」

    と言っていた。そして、自分自身が、まさにそれを体現していた。

     

    しばらくして明峯さんの言っていることの意味が分かってきた。

    論文を書かなければならないという制約が外れたおかげで、純粋に好奇心から学べるようになったのだ。

    生物物理の分野で自己組織化を研究していた僕の興味は、進化論に移った。

    生物が自己組織化の産物として存在しているのであれば、環境から遺伝子へ向かう情報の流れが存在しなければならない。

    しかし、それは、当時の生物学では「獲得形質の遺伝」として、完全に否定されてたものだった。

    獲得形質遺伝について取り組むことは、アカデミックな世界の研究者にとっては学者として大きなリスクを伴う。

    しかし、それが、「在野」の僕にとっては、大きなチャンスに思えた。

    ネオ・ダーウィニズムから生まれてきた「生存競争」という概念は、資本主義経済を「自然のもの」として肯定する役割を果たしたが、ネオ・ダーウィニズムの論理を崩すことができれば、新しい社会のあり方も見えてくるのではないかという思いもあった。

    体の中から力が湧いてきた。

     

    このテーマは、実は、明峯さんが学生時代に取り組もうとしたテーマでもあった。明峯さんは、自宅の蔵書の中から『二つの遺伝学』(徳田御稔著)という本を貸してくれた。これは、ソビエトのルイセンコという生物学者が唱えたルイセンコ生物学について書かれたものだった。

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    明峯さんを通して、ミチューリンやルイセンコといったロシアの生物学者の存在を知った。

    彼らの生物学は、ヘーゼル哲学における止揚を生物進化に適用したものだった。それが、ルイセンコに置いて共産主義のイデオロギーと結びつき、メンデル・モルガン生物学を唱える資本主義イデオロギーと、ルイセンコ生物学を唱える共産主義イデオロギーの対立へと発展した。ルイセンコの政治的失脚とワトソン・クリックによるDNAの二重らせん構造の発見、セントラルドグマの提唱によって、ルイセンコ生物学はスキャンダルとして歴史の闇へと消えていった。
     

    セントラルドグマを崩すためのヒントを探していた僕は、ミチューリンやルイセンコにヒントを求めて、手に入る限りの文献を集めて読んだ。
    そして、考えたことを、月曜日に予備校の講師室で明峯さんにぶつけるのが楽しみだった。珍しい文献を見つけるとコピーして明峯さんに渡していた。

    大学院を辞めてから10年間、僕の生物学の先生は明峯さん一人だった。
    自分の父親と年齢が変わらない明峯さんは、いつも対等な立場で、僕と話してくれた。
    学ぶ意欲を失わずにいられたのは、明峯さんのおかげだった。

    明峯さんのことを思い出すとき、いつも頭に浮かぶ光景がある。
    息子さんが新荻窪で経営している「のらぼう」というお店に連れて行ってもらったときのことだ。
    そこで、地鶏の卵を食べながら、なぜ、地鶏の卵は美味しいのかという話になった。

    僕は、「食べたものの違いが卵の黄身の組成に反映するということは、外部環境の情報が、遺伝子の環境である黄身へ反映しているのだから、それが遺伝子の発生時のふるまいへ影響する可能性があるのではないか」と主張したが、明峯さんは、「生殖細胞と体細胞の間の情報のやり取りは切れている」と主張して譲らず、ご飯を食べながら険悪な状況になった。明峯さんは、気を静めるように立ち上がって、水を飲みにいった。僕は、そんな風にいつも真剣に対峙してくれる明峯さんが好きだった。

    その後、エピジェネティクスが見つかり、環境からの情報がDNAメチル化などの遺伝子修飾のパターンを変化させ、それが子孫へ伝達されるということが明らかになった。獲得形質が遺伝することが分かったのだ。

    これを知ったとき、明峯さんと僕は興奮した。こんな日が来るとは思わなかったと言い合った。

    春期講習のとき、満面の笑みを浮かべた明峯さんが、手を後ろに回して近づいてきた。

    「ジャーン」と言いながら出したのは、『サンバガエルの謎』という本だった。

    その子供っぽい振る舞いが、なんだかうれしかった。

    サンバガエルを使って獲得形質遺伝の実験をしたオーストリアの生物学者カンメラーは、標本にインクを注入して偽造したという疑いをかけられピストル自殺したが、この本は、カンメラーに対して好意的に書いてある本だった。

    カンメラーについて調べているうちに、チリの生物学者が、カンメラーの実験を最新の遺伝学の視点から再検討していることを知り、論文のコピーを明峯さんに渡した。この分野を研究しているチリの生物学者や香港の生物学者にメールを書いて、意見交換を求めたりした。

    調べていくうちに、イギリスの発生学者のWaddingtonのエピジェネティック・ランドスケープという概念と出会った。これは、非線形物理を学んでいた僕にとっては、分岐理論の生物バージョン。10年たってたどり着くべきところにたどり着いたという気がした。

    有機農法や自然農についての関心も、明峯さんがきっかけだった。在野の農学者として「都市を耕せ!」と呼びかけていた明峯さんの思想にも影響を受けた。

    生きるということはどういうことか。食べるということはどういうことか。

    思想と行動を一致させている明峯さんの生き方は素敵だと思った。

    生物学における異端だった獲得形質遺伝は、いつの間にか、最新のトピックになっていた。明峯さんといっしょに13年間議論してきたことをもとに、もう一度、論文書いてみようかなと思って、東北大のある研究室を訪ね、研究生として籍を置かせてもらい、13年ぶりに研究を再開することにした。

    誰も研究していなかったことを13年間も考え続けてきたんだから、何かインパクトの大きいことが出来そうな気がして興奮した。

    そんなとき、東日本大震災が起こり、それまでに考えてきたものは、すべて吹っ飛んだ。

    有機農法の活動家でもあり、反原発の活動家でもあった明峯さんに、福島の原発事故が与えたダメージは大きかった。

    科学が外から人間を判断していくことに反発して、人間は自分の価値観に基づいて生き物として生きていくことを選択すべきだと主張していた明峯さんにとって、福島の農業をどうするのかという問題は、究極の選択を迫られるものだったからだ。

    池袋の居酒屋で明峯さんと会って話をした。

    福島で野菜を作るべきかどうかという話については、意見が異なったが、明峯さんの気持ちはとてもよく分かった。

    そのとき、明峯さんから1冊の本をプレゼントされた。

    僕の意見は小出さんとほとんど同じだったが、明峯さんの意見は、農民の生き方に寄り添ったものだった。

    本を読んで、次のような投稿をFBに書いた。

    【決断の違いからくる断絶を乗り越える方法】

    古い友人の明峯哲夫さんと、久しぶりに会ってお話しする機会がありました。

    明峯さんは、有機農業に関する活動を長年続けてこられた方で、僕とは親子ほどの年の差があります。

    かつて、同じ予備校で講師をしていました。

    予備校講師という仕事は、講師同士に縦の関係がないので、生物の講師と物理の講師という立場で、10年以上前から親しくさせていただいています。

    明峯さんは、全共闘世代で、博士課程のときに学生運動に身を投じてアカデミックな世界を去り、その後は、在野の研究者として農業に関わってきた方です。

    僕が博士課程を中退して、予備校講師になったときに、明峯さんと知り合うことが出来たのは、今思えば本当に幸運でした。

    大学院を中退して人生の方向性を見失っていたときに、「在野の研究者という生き方もあるんだ」と、その存在にたいへん励まされました。

    毎週月曜日に講師室で、いろいろな話をするのは、本当に楽しみでした。

    現在、僕のライフワークになっている獲得形質遺伝の理論モデルというテーマに出会ったのも、明峯さんから聞いた話がきっかけでした。

    生命科学を自己組織化の観点から再構築しなくてはならないという僕に対して、

    「ロシアのミチューリンとかルイセンコって知っている?」

    と言って、古い書籍を貸してくれました。

    生物学の様々な文献を読んで明峯さんとディスカッションすることで、だんだんと生命科学や進化論についての思考が深まっていきました。

    その後、明峯さんの影響もあり、有機農業や自然農法に関心を持つようになり、マンションのベランダにコンポストを置いて、拾ってきたありとあらゆる種をそこに撒いて自然農法のまねごとをしてみたり、有機野菜農家と個人契約をして食べるようになったりと、今から考えるとさまざまな点で影響を受けていたと思います。

    2年前に、獲得形質遺伝の理論的なモデルを構築するためのアイディアが沸いて、13年ぶりに研究を再開しようと思えたのは、研究の場でプロとして13年間過ごしてきた人に負けないほどの濃密な時間を過ごしてきたという自信があったからです。普通の研究者が読まないような書籍や文献を読み、独自に思索を重ねてきた日々の充実が、僕に自信を与えてくれました。それは、明峯さんとの出会い無しでは得られなかったものです。

    僕は、震災後、長年契約していた有機栽培農家の契約を打ち切り、東北を離れる決断をしました。それは、明峯さんの主張に真っ向から反することであることでした。

    もう以前のような関係性には戻れないと思いました。

    明峯さんの文章を読むと、それが、自分を批判しているように感じられるようになりました。

    震災と原発事故によって、僕たちは暴力的に決断を迫られて、決断の違いによって関係性に亀裂が入り、断絶させられ、孤独を感じるようになりました。

    この断絶は、

    「違いを認めよう」
    「お互いの価値観を尊重しよう」

    などと言った、使い古された陳腐な言葉ではとうてい埋まらないほどの深く絶望的なものに感じられました。

    2年経っても、正直言って、この断絶はほとんど埋まっていないように感じていました。

    今回、明峯さんと会って、今度、新しく出る本をいただきました。

    『原発事故と農の復興』

    という本で、有機農業を行っているNPOが、京都大学の小出裕章さんを招いて行った公開討論会を元に作られた本です。

    明峯さんも、パネラーとして参加して発言し、論考を投稿しています。

    本の中では、2年間の調査の結果、福島の土壌に粘土が多く含まれることと、土が肥沃だったことから、セシウムの農産物への移行がチェルノブイリとは違って極めて低く抑えられ、「福島の奇跡」と呼ばれているということなど、ほとんど知られていないことなどがたくさん書いてありました。

    同時に、農作業をする際に土壌に固定されたセシウムから放出される放射線による外部被爆は避けられず、被爆リスクを覚悟した上で農作業をしているとも書いてありました。

    「放射線が強い地域では、コミュニティごと避難すべき」という小出さんに対して、明峯さんの意見は、「人間は安全性だけで生きているわけではありません。場合によっては、危険であると分かっていても、それを覚悟して生きていく、それが人間です。むちゃくちゃ危険なことをして早死にしても、それがその人の人生だったということにもなるし、ただただ長生きするだけの人生を潔しとしないという考え方もあります。」といって、避難に対しては、真っ向対立の立場です。

    その後、

    「大事にしているファクターがいくつもあって人生は複雑です。」

    「それぞれが、自分の人生設計の中でいくつかのファクターを考えた上で決められればよい。そのような決められる自由が重要です。」

    と発言していました。

    これを読んだときに、断絶を乗り越えるための希望が、少し見えました。

    各人は、それぞれの生まれた場所、育ち方、環境、子どもの有無などの違いがあって、その多くは選択できないものです。

    そして、それまで生きてきた歴史があって、その結果として生まれてきたファクターの分布に従って決断を下していくことになります。

    どのファクターを優先するかは、まさにその人の行き方そのもので、その人のファクターの分布を反映するものです。

    自分は、自分の人生設計のためのファクター分布があり、それに忠実にしたがって結論を下しています。

    ベクトルの「向き」が同じであるということに基づいた共感ではなく、自分の人生に忠実に行動し、自分のあり方を表現しているというベクトルの「大きさ」に共感することが可能なんだと思うことができました。

    ファクターの分布に忠実にしたがって下した結論が他人と違ったものになっても、それは、必ずとも断絶を意味しないということが、これを読んでいて心で納得できました。

    そして、ベクトルの「向き」が違うことで断絶と見えたものを乗り越えるためには、自分自身も自分の人生に忠実にベクトルの「大きさ」を大きくしていけばよい。そうすれば、違ったレベルで共感して、つながっていけるんじゃないかと思えたのです。

    僕には僕の背景と歴史があり、人生設計のファクターがあり、その結果、下した決断は他の人と違ってくるけれど、自分自身に忠実に、迷わずに進んでいこうという前向きな気持ちがうまれました。

    僕の人生の節目節目に、重要な示唆を与えてくれる明峯さんには、本当に感謝しています。

    明峯さんは、この文章を喜んでくれて、編集者に送りたいと言ってくれた。

    明峯さんは、この本で書いていた。

    「人間は安全性だけで生きているわけではありません。場合によっては、危険であると分かっていても、それを覚悟して生きていく、それが人間です。むちゃくちゃ危険なことをして早死にしても、それがその人の人生だったということにもなるし、ただただ長生きするだけの人生を潔しとしないという考え方もあります。」

    そして、実際に被爆しながら、福島の土壌汚染と作物への放射性物質の転移率を測り、福島で農民が誇りを持って生きていくための道を模索していた。

    今回の死がそのことと関係しているかどうかは、誰にもわからないが、明峯さんが、相応の覚悟を持って取り組んでいたのは間違いない。

    最後まで思想と行動を一致させていた。

    明峯さんは、たくさんの種を撒いたが、その一つが僕の心の中にまいた種だ。

    今こうやって、教育の未来を創ろうと活動しているのは、間違いなく明峯さんの影響だと思う。

    もっといろいろなことを話したかった。

    心からご冥福をお祈り申し上げます。

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  • チームを支える人たち

    チームを支える人たち

    僕は、反転授業のFacebookグループを立ち上げてから、オンラインで出会った人たちとプロジェクトを回すことが多くなりました。

    ビデオチャットで話し合うこともありますが、多くは、テキストチャットでのやり取りが中心です。

    でも、実は、これがとても難しいのです。

     

    昨年取り組んだMITのルーウィン教授の翻訳プロジェクトでは、初対面で組んだ多くのチームが、コミュニケーションに問題を抱え、機能不全に陥りました。

    よく知らない人に対してコメントをするのに抵抗感があるというが原因でした。

    メンバーから個別にヘルプを求めるメールが運営者の僕に届き、慌ててビデオチャットで交流する機会を設けたりしました。

     

    知らない人同士がいっしょに組んで、チームを組んで、プロジェクトを進めていくのは、本当に難しいことなのだと思いました。

    そういうときに貴重なのが、人の気持ちを感じ取って、人と人とを繋げてくれる人の存在です。

     

    アーティストの杉岡さんのマイシンボルアートのサポートチームを作ったときには、杉岡さんを以前から知る友人たちと、僕の友人たちという2つのグループが一緒になりました。

     

    これまで全く交流がなかった2つのグループがいっしょになって、テキストチャットだけで交流しながらチームになっていくというのは、とても難しいことだということが骨身に沁みていたので、どうやったら壁を乗り越えて交流していくことができるだろうかということを心配していました。

    この状況を救ってくれたのが、杉岡さんの以前からの友人である森幸代さん。

    テキストチャットの背後に隠れている人の気持ちを読み取って、みんなを繋いでくれました。

    それは、本当に見事としか言いようがないものでした。正に天然のスーパーファシリテーター。

    マイシンボルアートのサービスがスタートして、杉岡さんが作成した森さんのマイシンボルがこちら。

    ƒ‚ƒŠƒTƒ`ƒˆ‚³‚ñ

    幸代の「幸」をモチーフに、縦糸と横糸をハートで繋げるデザインは、僕が感じた森さんの印象とピッタリでした。

    異能のメンバーが集うチームの中で、本当に替えが効かない存在だったのが「繋げてくれる人」である森さんなのです。

     

     

    一週間前からスタートしたNoovoのクラウドファンディングでも、エインの周りに異能の人たちが集まっています。

    エインの投稿する文章を、あっという間に翻訳してしまうプロ翻訳家の南佳介さんと、英語教師の枠を飛び出しつつある江藤由布さん。

    でも、チームは、異能の人たちだけでは回りません。

    このチームを回していく人が必要なのです。マイシンボルアートのときの森幸代さんのように。

     

    その役割を担う可能性があるのが、Creative Wonderの青木拓也さん。

    aoki

    青木さんは、もともとは、僕が運営している物理ネット予備校の受講システムの開発を依頼した仙台のシステム会社の営業でした。

    そのシステム開発は、納期の遅れを巡りトラブルになり、会社の社長とクライアントの僕の間の板挟みになった青木さんを、結果として、かなりつらい立場に追い込むことになりました。

    その後、しばらくして、青木さんはCreative Wonderを起業。それとタイミングを同じくして、エインがNoovoをスタートさせることになったので、Noovoの日本での展開の手伝いを青木さんに依頼することにしました。かつて、つらい立場に追い込んだことに対する罪悪感もあってのことでした。

    3人でスタートした小さなプロジェクトを通して、3人が学びながら収益化していこうと試みました。

    この状況で、学びのスイッチが入ったのはエインでした。最初は、英語を話せない青木さんと、日本語があまり得意でなかったエインとの間に僕が入って、頼りない英語を駆使しながら会議をしていたのですが、エインの日本語力がぐんぐん伸びていき、あっという間に通訳の必要がなくなりました。

    しかし、3人の思惑と行動のペースがうまくかみ合わず、2つほどWebサイトを作ったところでプロジェクトは自然消滅し、僕は、青木さんに対して、少し失望を感じながら関係が疎遠になりました。

     

    しかし、1年後、別のプロジェクトに参加したときに、そのプロジェクトのメンバーの中に青木さんを発見。切っても切ってもつながってくるところに縁を感じざるを得ませんでした。

    そこで、再び仲間に引き入れることに。仲間になるのなら、もっと成長してもらいたいと思い、自分の活動の軸が定まらずに悩んでいた青木さんを、僕とエインと杉岡さんの3人でコーチングしました。

    1週間のコーチングの後、青木さんから次のようなメールをもらいました。

    私は、合同会社クリエイティブ・ワンダーという会社を立ち上げ、今2期目に入りました。
    IT系の会社なのですが、大きな悩みを持っていました。

    それは、うちの会社と他社の違いはなにか? という点です。

    今の世の中、同じような商品、システムを販売している企業は多々あります。
    しかし、同じようなものって、最終的には、●●の商品だから使うじゃなくて、●●円だから使うになっちゃうと思うんです。

    そんな中、他にも沢山あるようなことをやっている中で、一体どうすれば・・・><

    と、悩んでいた時、物理ネット予備校の経営者であり講師の、田原真人さんにコーチングをしていただくことになりました。
    ※物理ネット予備校のサイトはこちらです:http://phys-yobiko.com/

    田原さんと知り合ったのは、私がサラリーマンだったとき。
    ※IT会社に務めており、営業をしていました。
    田原さんは、私が言うのは大変恐縮ですが、好奇心の塊のような方で、
    常にあたらしいことに挑戦し、アクティブに活動されている私が尊敬する方です。
    田原さんは、何事にも飽くなき挑戦され、学び、それらの経験を様々な視点から教えてくださいます。

    そのようなご経験をされている田原さんとのコーチングが開始しました。

    まず、田原さんは、私とのつながりがある「杉岡さん」「エインさん」をグループに追加しました。
    その後、そのグループで、沢山のことを話しました。

    田原さんがファシリテーターとして進める中で、とても驚くことが起きました!
    対話の中から、これまで曖昧だったことが次々と剥がれて、今まで一人で考えていても答えがでなかったうちの会社が他社と違うところの真意がはっきりとしてきたんです!

    もっと知りたいという気持ちが強くなり、グループからいただく質問に答えていくと、
    皆さんからいただいた気づきの意見と、質問に答えることででてくる気付きがあり、いままでに見えなかった答えが沢山でてきました。

    田原さんというアクティブに活動している方がファシリテーターとなり、コーチングを進めることで、
    様々な視点からの気づきをいただき、それを聞いた私自身も答えを探すうちに気づくことの相乗効果で、
    これからの私の道が大きく切り開かれた瞬間でした。

    本当に素晴らしい瞬間を体験することができ、田原さんには感謝でいっぱいです。
    これからも、1人でも多くの方の迷いが、田原さんのコーチングによって、明るい未来に変わりますことを心よりお祈りしています!

    Noovoのクラウドファンディングで、エインは完全にゾーン状態。PCの前で文章を書き、動画を作り、音楽を作曲し、気がついたら机に付して寝ているという状況です。エインが思う存分クリエイトできるようにサポートできるのは青木さんしかいません。

    また、Webサイト作成を検討している潜在的顧客層に、Noovoの価値を伝えられるのも、ネットワークのハブである青木さんしかいないのです。

    ドラマは、それに関わるすべての人に成長を促します。

    今回のドラマによって、僕を含めた参加者が、ぐんぐん成長中です。

    このプロジェクトの成功のカギを握る青木さんには、様々なノウハウを惜しげなく提供し、期待をかけて見守っています。

    僕が、青木さんに期待してしまうのは、青木さんが人のために動ける人だから。

    青木さんから返ってきた

    「田原さん、本気って楽しいですね!」

    という言葉を信じます。

     

    クラウドファンディングはあと5日。ドラマは、まだまだ展開していきます。

     

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    ★エインさんがクラウドファンディングに挑戦中です。
    締め切りまであと5日。
    達成金額7000USD, 現在2251USD
    https://www.indiegogo.com/projects/noovo-a-brand-building-startup/x/9455632

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  • 世界を隔てている壁の正体は何か

    世界を隔てる壁の正体は何か

    もしあなたが子犬をもらってきて、その子犬が敷地から外へ出ていかないようにトレーニングして、あなたにとってのよい「飼犬」になるようにしたいとしましょう。

    子犬は、旺盛な好奇心を持って生まれくるので、ありとあらゆる可能性にチャレンジするでしょう。

    その可能性の芽を1つずつ摘み取っていくと、許された行動だけしかしない「おとなしい飼犬」が出来上がります。

    鎖を外しても、敷地の中からは出ていこうとしなくなります。

    そのうち、子犬に芸を仕込むかもしれません。うまくできたら褒美を与え、失敗したら叱りながらトレーニングをすると、子犬は上手に芸を披露し、あなたを喜ばせるようになるでしょう。

    子犬は、あなたがコントロールした世界の中で許された行動だけをし、あなたから飼犬としての安全と幸せを与えられるのです。

     

    では、次に、あなたが、その子犬であった場合を考えてみましょう。

    あなたは、無限の可能性を持って生まれてきました。

    あなたは、主人から褒められたり、罰を与えられたりしながら、敷地内でのふるまい方を身につけていきます。

    あなたは、教えられた「正しい」ルールを身につけ、それに従って行動するようになったのです。

     

    でも、ある日、知ってしまったのです。

    ふとした偶然から、敷地の外に出て、そこに森があることを。

    全く違う生き方をしている動物の存在を。

    そして、飼い主も本当は、自分と同じ「動物」であることを。

     

    あなたは、森へ出ていき、様々な危険を乗り越えて成犬になり、自分の子犬を育てることになりました。

    森で生きていくために必要なことを子犬に教えようとして、あなたは気がつくはずです。

    未来は不透明であることを。

    飼犬時代には知らなかった変化に満ちた無限の世界が広がっていて、そこで生き抜く成功法則を自分は知らないということを。

    あなたが子犬にできることは、生まれ持った好奇心の芽を摘まずに育てること。

    旺盛な好奇心こそが、世界を把握し、生き抜く力になることをあなたは悟ったのです。

     

     

    僕たちの周りには、たくさんの見えない壁があります。

    その壁の多くは、教育によってもたらされたものです。

    それは、生きていくためのフレームとしてあなたを助けるものであるのと同時に、あなたの可能性を制限するためのものです。

     

    あなたが壁によって守られていると感じているなら、その壁はあなたにとって必要なものでしょう。

    しかし、世界は変化しているのです。

    その壁がいつまでもあなたを守ってくれるとは限らないのです。

     

    あなたが壁によって束縛されていると感じるなら、その壁は超えていくべきハードルとなるでしょう。

    あなたは勢いよく成長し、狭い壁の中の世界を乗り越えて、外側へ広がっていこうとしているのですから。

     

    強力な壁は、物質と情報の流動性を低くし、均質な内部をもたらします。

    均質な内部は、ヒエラルキーをもたらします。

     

    一方で、好奇心を持って壁を超えて行き来する人が増えていくと、壁の内部に多様性が生まれます。

    多様性は、個人の創造性を高め、ヒエラルキーを弱くしていくものです。

     

    僕たちは、インターネットを使って、壁の向こう側のことを知ることができるようになりました。

    飛行機を使って自由に旅行できるようになりました。

    好奇心さえあれば、壁を乗り越えて冒険をスタートできる時代がやってきたのです。

     

    13歳のときに学校を辞めたエインは、インターネットを使って世界のことを探索する冒険に出ました。

    エインの好奇心は、正気と狂気の境界、ジェンダーの境界をも超えていきました。

    18歳になったエインは、インドへ旅に出て、異なる価値観と出会いました。

    自分のことをKnowledge Hunterと呼ぶエインにとってのLearningは、冒険そのもの。

     

    エインが、Learningのイメージビデオを作りました。

    僕たちを束縛しているものは、物理的なものではありません。

    移動する自由、知識を得る自由はテクノロジーによってすでに切り開かれたのです。

    もし僕たちが冒険を始めないのだとしたら、僕たちを束縛しているのは、もっとメンタル的なもの。

    つまり、システムによって「しつけられて」しまったものが原因なのかもしれません。

     

    Noovo物語8

    教育と学び

    教育と学びの大きな違いというのは、以下の点にあるだろう。

    知識(knowledge)+勉強(studying)=教育(education)
    知識(knowledge)+試行錯誤(trial and error)=学び(learning)

    教育においては、試行錯誤は負の要素とみなされる。サンドボックス(遊び場)の余地はまったくなく、結果として作り出されるのは、技術を習得した人たちだけだろう。そういう人々というのは、ある特定の分野で例外的な存在である。教育の主眼は修練(practice)だ。何度も何度も繰り返すことで完成に至る。それを技術と呼ぶのである。

    一方の学びはというと、これはまったく違うコンセプトを有する。学びは作り出す(creation)のための手立て/ツール(tool)なのだが、それには絶対にサンドボックスの余地がなくてはならない。教育においては教師が指導の現場で主体的な役割を担うが、学びにおいて、教師の役割はファシリテーターになることであり、学習者を冒険につれ出し、ある特定のテーマ(subject)について挑戦と失敗をうながす。そうやって学習者自身に何かを考えさせ、打ち立てるように導いていく。どうしたことか、それがひいては直観を持つことにつながり、そしてまた直観は作り出すことを容易なプロセスとならしめる。

    世の中には自らを教育したいと望む人もいれば、学びを求める人もいる。教育者にしてみれば、数千の学校と大学が存在しているのだろうが、学習者視点になると話は変わってくる。インターネットを使えばリソースは時を選ばず利用可能であるし、MOOC、動画に論文、その他もろもろのメディアがあるにはあるのだが、より大きなサンドボックスが必要だ。

    日本で反転授業と言えばこの人という、自身も教育者でしかもCEOも務めるマサトと話をすると、このテーマが何度も何度も会話のネタになる。私がインド滞在中、教育へのアクセスが何もないところほど、ごく自然なプロセスとして学びが立ち現われてくることに気づかされた。これには惹きつけられたし、スガタ・ミトラ(Sugata Mitra)のプロジェクトやHole in the wallで見られたもの、つまり学びと教育は野放しの環境においても事実行われるということだ。ほんの小さな子供たちの間でさえも。

    しかしこれも考えてみれば至極当然の話。胎児には好奇心があり、母体にいるときからすでにして学ぶのだし、これを野放しの環境と言わずしてなんと言う。つまり人は、息をするその前から、学ぶために学びを覚えるのだ。

    マサトと私でKnowcloudという、学びのためのクラウドポータルを立ち上げようと決意した。その思想はシンプル、世界中の学びのリソースを、いま形になりつつある新しいものと集約しつつ、コミュニティが大きな役割を果たすというもの。それこそオンラインで多人数参加型のRPG(MMORPG)を遊ぶかのようにチームで協働して冒険へと乗り出し、その間、知識のマップがグラフィカルなものとしてプロフィール上に生成される。それを他者がどれどれといって眺めることも可能。その人たちと新しいプロジェクトを始めようと前のめりにもなるだろうし、それは良いアイディアだとなれば、投資という形で資金提供を受けつつインキュベーターも見つかる、なんてこともありそうだ。しかしそのためにはソフトウェアとオフライン版がなくてはならない。そうすることでインターネットにアクセスできない地域や、または誰もがインターネットを利用できるわけではない場所へと届けることも可能になる。Knowcloudは2015年1月をもっていよいよ立ち上げに向けて動き出す。乞うご期待。

    (原文:EDUCATION AND LEARNING

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  • 管理され、限定された環境でヒエラルキーは育つ

    管理され、限定された環境でヒエラルキーは育つ

    サル学の権威である伊澤紘生さんの研究について知ったときの衝撃を今でも覚えています。

    伊澤さんは、定説であった「ボス猿が群れを統率している」という現象を発見するために、白山の野生サルを徹底的に調査したのです。

    その結果、伊澤さんが出した結論は、驚くべきことでした。

    それは、

    ボス猿はいない

    というもの。

    「ボス猿」という存在を当たり前のものだと思っていたので、これには衝撃を受けました。

    では、どのようにして「ボス猿」という概念が生まれたのでしょうか?

    これは、動物園という管理された限定的な環境の下での観察から生まれたものなのです。

    そのような環境の下で、限られた餌を奪い合うというという条件が与えられたとき、腕力による序列化が生まれ、その序列の頂点として「ボス猿」が観察されたのです。

    つまり、多様性の失われた環境のなかで、「腕力」という1つの物差しが生まれ、その結果、ヒエラルキーが育ってきたのですね。

     

    では、なぜ野生のサルには、ボス猿がいないのか?

    それは、野生の環境が開かれていて、多様だからです。

     

    多様性のある環境では、腕力という1つの物差しに収斂していかないのです。そのため、動物園の中のように腕力による序列化が生まれないのだそうです。

     

    僕たちの社会にはヒエラルキーがあります。

     

    これは、人間の本能?

    それとも、僕たちの社会が、動物園のサル山のように管理された限定的なものだから?

     

    伊澤さんのサル学の研究は、ヒエラルキーを弱めていくために何が重要なのかを考えるためのヒントを僕にくれました。

    エインも、ヒエラルキーを崩していくためのアイディアを持っていました。

     

    個人は小さな会社が力をつけて多様性を生み出していくことでヒエラルキーをもっと弱めて、個人が自由な心で生きられるようにしたいというのは、エインと僕の共通した願いです。

    今、同じような願いを持った人たちが集まってきています。

    もしかしたら、ムーブメントが起こせるかもしれません。

    Noovo物語7

    ピラミッドを崩す

    インドでは見慣れた風景だが、旅をしていると、村々を巡って賽銭を集める旅芸人たちに出会うことがある。彼らは社会の構造の最下層におり、身分があまりに低いとされているため、長い移動でも電車の床にしか座れない。目を覆わんばかりの汚い衣服を身にまとい、切符を持っていても座席に座ることはない。その中にラロンの詩に乗せて民族音楽を歌う、年配の人たちがいた。いつもニコニコとして、歌を歌っていた。無宗教だと言う。でも、彼らは仏教の僧侶や、ヒンドゥー教のヨーギや、イスラム教のスーフィーのよう。それ以降、きれいに整備された電車の座席にわたしは息苦しさを感じ始めた。

    その後、私はラロンについて学び、彼の言葉を体感した。ラロンはインドで最も貧しい家族に生まれ、1890年に亡くなった。タゴールや、アレン・ギンズバーグ、その他多くの人にインスピレーションを与えた。宗教であろうと、ナショナリズム運動であろうと、全てのヒエラルキーやプロパガンダを退(しりぞ)けた。

    ヒエラルキーというのは、地球上の人口に対して、可能性に制約があるから作られるのだと私は思う。では、可能性を広げれば、ヒエラルキーはなくなるのだろうか。今より幼かった頃は、そうした自問がおさまらなかった。でも今、ひとつの結論に達した。ヒエラルキーは、人の優位性を求める本能なのだと。それを持つ人も多く、持たない人も少なくない。地球上には、ヒエラルキーがなければ平和が訪れ、平和な世界は幸せをもたらすと考える人が大勢いる。ヒエラルキーは群れを管理するテレビゲームのごとく思えて私も嫌いだが、そう思わない人も多い。むしろ好む人もいる。ヒエラルキーに幸せを見いだす人すらいる。残念ながら、今の社会はそれが全てだ。私は平和な世界を望んでいるわけではない。私が求めるのは可能性に満ちた世界であり、そこではヒエラルキーに属するかどうかも自ら選ぶことができる。自分自身の世界を自由に創造し、ブッ飛んだ(eccentricな)新しいアイデアにも耳を貸せるような世界になってほしいだけだ。

    まず必要なのは、アイデアを持った小さな集団と、それを運営する結束の固い人たち。こういう人たちを支援して、Win-Winな状況を生み出せるくらい、アイデアを高度に発展させる必要がある。ヒエラルキーの中では、誰かが勝つと誰かが負ける。でもこういうシステムは、はっきり言ってばかげている。ヒエラルキーは、ものが足りないことに操られたシステムであり、最も適応した者だけが生き残るようにできている。これは、論外の話だ。生きて行けるのに、なぜ生き残りに賭けないといけないのか。ヒエラルキーに知性はいらない。そんなものは自然界にいくらでもある。それは創造の中で最高の自明の理(ことわり)である。ヒエラルキーから何かを生み出したり、たくさんの小さな世界を作り出すことには知性が必要だが、経済的にWin-Winな状況であれば、アイデアから生み出すことができるし、それをどんどん作っていかなければならない。いつの日か、もはやピラミッド構造をもたない人間社会を目のにしたい。そこには多くの新しい構造があり、それを実現するには学び自体がより自己組織化され、学習者自身が自ら冒険するために自分の学び方を見つけなければならない。肝心なのは、学習者が、新しい発想を生み出す学びを享受し、たとえちっぽけなアイデアでも、大きな衝撃を社会に与えるということを見いだすことだ。

    (原文:TO BREAK THE PYRAMID

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  • 何が人の心を動かすのか

    何が人の心を動かすのか

     

    今、僕の周りで起こっていることを書きますね。

    これは、内発的動機に基づいて行動し、それが連鎖していくと素敵なことが起こるという一つの例なんじゃないかなと思っています。

     

    きっかけは、Noovoのファウンダーで友人のエインが、クラウドファンディングを始めたことでした。

    エインとは多くの点でビジョンを共有しているので、クラウドファンディングを手伝うことにしました。

    僕は、彼女に一番大切なことは、自分たちのビジョンを伝えることだから、エインが経験してきたことや考えていることを、できるだけたくさんアウトプットしてみたらどうかなと提案しました。

    それで、急いでドメインを取り、個人ブログを作りました。

    ドメイン名は、

    5914.co

    一見すると何を表しているのか分からないドメイン名ですが、a=1, b=2, c=3.・・・とアルファベットに数字を当てはめていくと、エインの名前が表現されていることが分かります。

     

    「私の考えていることなんて、みんな興味があるかな?」

    「私は過去について思い出すのはつらいこともあるよ。でも、それが役に立つのなら書くよ。」

     

    彼女はそう言って、ブログに連載を始めました。

    THE MAKING OF NOOVO

    彼女は、恐る恐る短い文章を書いて投稿しました。

    英語の記事をスラスラ読める人は限定されるので、Facebookで、誰か翻訳を手伝ってくださる方いたらお願いします!と呼びかけたところ、横川淳さんと杉岡一樹さんが、すぐに手を挙げて、その日のうちに翻訳してくれました。さらに、古山竜司さんが、二人の翻訳をまとめて完成訳を作ってくれました。

    杉岡さんは、「ぼくは、あまり英語が得意なわけじゃないけど、誰かが手を挙げないといけないと思った。」と言っていました。

    他の二人も、きっと同じような気持ちで動いてくれたのだと思います。

     

    自分の書いた文章の翻訳に3人が関わってくれてたということがエインに伝わり、彼女はアクセルをグーンと踏み込みました。そして、出てきたのが次の文章。

    ESCAPING FROM EDUCATION

    エインが13歳で学校を辞めてからどのようにして学んできたのかが綴られた長文でした。この翻訳には、江藤由布さんも加わってくださいました。エインの文章は、江藤さんの心に火をつけ、江藤さんは、Noovoの応援ビデオを自発的に作ってくれました。その江藤さんの行為がエインのモチベーションをさらに上げ、After Effectというソフトを初めて使ってNoovoのコンセプトを説明するビデオを作りました。

    このビデオが、プロ翻訳家の南佳介さんの心に火をつけてしまいました。

    「あまりに忙しかったので静観していたけど、応援せざるを得ない」という言葉とともに翻訳チームに参入。どんどん内容が高度化するエインの記事を、英語教師の江藤さんと翻訳家の南さんのコラボで、超ハイスピードで翻訳していくという異常な事態になりました。

    僕は、MIT物理の翻訳プロジェクトに関わっていましたが、あの量の翻訳であれば、下訳と完成訳を分担して1週間くらいかけてするのが普通です。それを2人で1日でやってしまうのですから驚愕です。

    南さんからは、「内容に心がシンクロしたので10分で翻訳できました」という驚きの発言も飛び出しました。

    杉岡さんいわく、「狼が狼を呼ぶ」という状況なのだそうです。

    自分のことをサポートしてくれているという状況に感動したエインは、「どんどんクリエイトしたい」という言葉を発し、ゾーン状態に突入。

    動画や記事がすごい勢いでアウトプットされてきました。

    これが、再び江藤さんを着火。

    クリスマス補習の英語の授業で、エインのクラウドファンディングを題材に取り上げました。

    そのクラスは、学習意欲があまり高くなく、授業をするのを苦労していたのだそうです。しかし、エインのメッセージと、それを熱っぽく語り、応援ビデオを自ら作った江藤さんの姿が生徒たちの心に火をつけ、授業が盛り上がったそうです。その様子を動画でしゃべってくれました。

    Noovoで授業のリフレクション!(2014-12-26 11.26) from eigotokka on Vimeo.

    エインから燃え上がった火が江藤さんを通して、生徒まで届きました。

    1週間でアウトプットされたのは、7つの高度な内容のブログ記事と、ハイクオリティの動画3つ。

     

    この熱は、あちこちに飛び火しています。

    ファシリテーション入門の受講者だった松本梓さんは、Facebookで心のこもった紹介を何度もしてくれ、$100を投資。これには、ちょっと感動してしまっています。

    横川さんは、$1000を投資して、エインにWebサイトを作ってもらうことにしました。Noovoの最初のBig contributorになりました。

    「すごい!今日から、横川さんのサイトを作る!」と言うエインに、まずはクラウドファンディングに集中しようと言って聞かす羽目になりました。

     

    エインがクリエイトしたものは、杉岡さんのマイシンボルアートのサポートチームが中心になってFacebookで拡散していきました。

    エインの文章にシンクロして、僕や杉岡さん、森幸代さん、ギュンター知枝さんたちが、コメントをつけて拡散して下さっています。

    杉岡さんは、素敵な文章をブログに何度も書いてくださいました。

    特に、この文章には、杉岡さんの気持ちがこもっていて心が熱くなりました。

    21世紀の黙示録、あるいは本当の希望

    12/27に、manabi schoolなどを経営している杉山史哲さんが、サポートチームに参加。かつて、学びのあり方について、杉山さんとエインと僕の3人でスカイプしたことがあり、ビジョンが近いことは前から分かっていたので、この参加はうれしかったです。

    早速、「Learningが変わると子どもたちの学びはこう変わる。そして世界はこう変わる。」ということを分かりやすく表すビデオを作ってほしいというリクエストが。

    NoovoとKnowcloudでお金とLearningの仕組みを変えて、世界をフラットにしていこうとするエインにぴったりのテーマです。

    これを分かりやすく表現することができれば、教育を変えようとして最前線で踏ん張っている人を強力にサポートすることができます。

    現在、エインは、不眠不休でビデオ制作に取り掛かっているところ。

    たくさんの人の期待と思いが集まってきました。

     

    みんなが枠を超えて一歩踏み出して手を結んだことで、ドラマが生まれています。

     

    あと6日。

    このドラマは、今後、どのように展開し、どんなフィナーレを迎えるのでしょうか?

    きっといい未来が来るような気がしています。

     

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    ★エインさんがクラウドファンディングに挑戦中です。
    締め切りまであと6日。
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  • 自分を閉じ込めているものの存在に気づくと自由への道が開ける

    自分を閉じ込めているものの存在に気づくと自由への道が開ける

    Learningの本質は、自分の思考の枠組み(メンタルモデル)を疑って、それを内側から食い破って外側に出ていくことではないでしょうか。

    自分の思考の枠組みに気づくことはとても難しいですが、異質なものと摩擦を引き起こしながら本気で交流することによって、カオスを経由して、思考の枠組みを変化させることができます。

     

    僕は、鹿児島出身の両親に育てられました。

    鹿児島には、「薩摩隼人」という言葉があり、いわゆる「薩摩隼人」を理想の姿として育てられ、それに全く疑問を感じずに育ちました。

    いわゆる「男らしくあれ」という言葉を、そのまま内在化して育っていたのです。

    しかし、結婚とその後の様々なトラブルにより、はじめて「男らしくあれ」という言葉に矛盾を感じるようになりました。

    男性が優先される一方で、常に女性が我慢を強いられているということを、恥ずかしながら、それまで自分ごととして考えたことがなかったのです。

    社会のヒエラルキーの上へ登っていくことを目指していたころの自分にとっては、「男らしさ」はシステムへの忠誠の証であったように思います。

    しかし、そこから、こぼれ落ちたことで、「男らしくあれ」を手放して、自分を30年近く閉じ込めていた枠組みから出ていくことができました。

    自分を呼ぶ呼び方は、いつの間にか「俺」から「僕」に変わり、声のトーンやしゃべり方も変わっていきました。

    そして、いろんな問題が以前よりもクリアに見えるようになってきました。

    ジェンダーは、自分を閉じ込める身近な壁。

    その壁によって思考が大きく制約されているというのは、壁を超えてみて初めて気がついたことです。

     

    Noovoのファウンダーであるエインと知り合ったのは、彼女が18歳のとき。

    Language Exchangeで日本語を勉強していた彼女は、自分のことを「ボク」と呼んでいました。

    一人称の呼び方として、日本では、男性が「ボク」を使い、女性が「ワタシ」を使うんだよと伝えると、彼女は、それは分かっているけど、「ボク」は、自分のことを「ボク」と呼びたいんだと答えました。

    そのとき、エインがジェンダーの壁を乗り越えようとしていたのだということを、今回の連載で初めて知りました。

    エインは、体当たりで次々と自由を妨げる壁を壊していきます。

    彼女は、自分のことを、Knowledge Hunter と呼び、様々なものに好奇心をむき出しにして襲いかかり、体当たりしていくのです。

    そして、その結果、思考の自由と創造性を獲得していきます。

    今回の連載で、エインの創造力の源が見えてきました。

     

    Noovo物語6

    足かせー自由を知らない人たち

    インドで最初に赴いたのはヒマラヤだった。わたしは、山の中の静かな村に滞在した。人はか弱い存在だけど、都市の壁の中では全くそのことに気づかない。山はあまりに偉大なので、人は自分の弱さに気づいて謙虚になる。

    気候は厳しかったけど、そこには平和があった。手つかずの森に住んでいる動物たちも、安心して暮らしているのと同じ。その平和なところ。人は森の木を切り倒して、その場所に壁を立てる。建物の壁、社会の壁、自宅の壁、国境の壁、大陸の壁。産業革命は人に、大量生産というとてつもなく退屈なものを与えた。それまでにも社会的な障壁や、建物の壁はあったものの、ここまでつまらないことはなかった。それはまるで、社会という機械が人を大量生産し、人がさまざまなものをさらに大量生産する。人が学ぶのは、かごや檻を作ることばかり。アントニオ・ガウディのような例外はあるけれど。アジアの建築はすごい。自然を抱きかかえ、耐えられるなら、残りの自然を破壊せずに済んだかもしれない。正直なところ、日本のマンションよりも、犬小屋のほうが美しいと思ったこともある。小さな町の山並みに建つ小さな家々を見ていて、そう思った。

    ある日、見たくない場所を見なくてはいけない、と思い立った。旅立つ前、鏡の前に立っていて、髪を切り落とした。後に、電動シェーバーを使って、髪を全部剃り上げた。男女両方の性から自由になった感覚。私に制約をかけていたことの一つ、性を消し去ったように。だから、マサトに初めてあった時は、少年くらいの髪の長さだった。

    最初の滞在地はカルカッタ。ミッション系のゲストハウスに滞在して、そこにあった図書室でいつも本を読んでいた。インド哲学に興味があったので、人生をかけてそれを体現している僧侶たちから学んだ。僧侶たちは、私に僧侶になることを勧めた。私はヨギの目をしていて、ドラッグなしでいつもハイな状態だったから。僧侶になる時の唯一のルールが死者にたいしてある儀式をすることだった。それだけは、自分でしなければならない。もはや生きていないのだから、足かせの外れた状態だ。それって、僧侶の戯れをするふりをすること。にもかかわらず、制服のように、僧侶たちはみな同じ格好をする。

    わたしには髪がなかったし、僧侶たちがわたしを彼らの仲間だと思っていたようだけれど、わたしには恋人がいた。有名な雑誌のフォトグラファーをしている、ヨーロッパ系の成熟した女性。私は、レズビアンではなく、バイセクシャルなだけ。よく彼女の家にいて、写真の機材を借りたり、彼女の車で出かけたりした。彼女自身よりも、彼女の持ち物とか、車に気持ちがあったのは確か。カルカッタで興味があったのは、こどもたちのいる、スラム。スラムの子供たちは、テレビゲームばかりしている都会の子供たちよりも豊かな精神世界を持っているように思えた。彼らが住んでいるのは、足を踏み入れてはならない地域で、ヒジュラという社会から阻害されたトランスジェンダーの人々が暮らす秘密の場所。実際はもともとトランスジェンダーな人はほとんどおらず、多くは去勢されている。彼らはまさに半男半女で、(性別がない?)わたしはその骨格構造が気に入ってもちろんヌードでスケッチをした。社会の普通の人は、すごく高い教育を受けている人でさえ、彼らは魔法の力を持っていると信じているから、彼らが物乞いをしに行くと、誰も断らない。礼儀というより、呪いが怖いから。2014年以前、ヒジュラの人には人権がなかった。どちらの性でもないわけだから、人として考えられなかった。見たところ、賢い人でさえ2014年まで性に関わらず人は人だということが分からなかったわけで、法的にトランスジェンダーの権利が守られている国でさえ、社会では受け入れられないのだ。

    自分の行動が積極的に誰かを傷つけたりしない限り、トランスジェンダーであることは、人としてやりたいことをやる自由の一つ。それでもなお、数えきれないほどの人が縮こまった国境の壁の中で閉じ込められ、毎日何十億人もの人が自分の小さな犬小屋の中でうまくやっていけるように、自由の意味を理解しないように、訓練を受けている状況だ。

    (原文:SHACKLED

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    ★エインさんがクラウドファンディングに挑戦中です。
    締め切りまであと7日。
    達成金額7000USD, 現在1131USD
    https://www.indiegogo.com/projects/noovo-a-brand-building-startup/x/9455632

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  • 個人サイトを持っている人/持ちたい人はこのチャンスを逃さないでほしい

    個人サイトを持っている人/持ちたい人はこのチャンスを逃さないでほしい

     

    クラウドファンディングに挑戦中のエインに、昨日、伝えたこと。それは、

    「引換券の内容が分かりにくいから、詳しく教えてほしい」

     

    今、投資して下さった方のほとんどは、引換券の内容をほとんど見ずに、エインのビジョンに共感して応援して下さった方たちです。

    でも、詳しく話を聞いてみると、Webサイトを持っている人や、個人や小さい会社を持って仕事をしている人にとっては、とてもお得なオファーになっています。

     

    $100の引換券の内容を読むと以下の通り。

    ▪ Love & kisses from Ein and Noovo

    ▪ Exclusive branding and logo design (includes: logo, promotional graphics)

    ▪ An one-on-one brand strategic meeting

    ▪$250 worth free design elements on the launch of noovo.me

    ▪ We will feature you on the contributor’s newsletter

    ▪ Permanent space on partner’s page

    ▪ Big space on contributor’s list where you can fully promote your brand, include promotional graphics or video

    つまり、

    1)エインと、ブランディングについてスカイプミーティングをする。(60分 1回 日本語OK)

    2)ミーティングをもとに、オリジナルのロゴやグラフィックなどを制作

    3)$250相当のモーショングラフィックや画像などをプレゼント。

    4)Noovoのサイトでパートナーとして紹介

    というのが、主な内容で、そのほかに、Noovoのサイトでパートナーとして紹介するということのようです。

    $250で、どんなものが手に入るのかよく分からなかったので、商品と価格の例を出してもらいました。

     

    商品例(1)PSD画像素材 $2 – $20

    graphic-2

    PSDファイル形式なので、Adobe Photo Shopがあれば、自分で自由に編集して加工できるのだそうです。ちょっとした編集なら無料でやってくれるそうです。様々なアーティスティックな画像をエインが作っていきますので、それらを引換券で購入することができます。

     

    商品例(2)Adobe EffectやPremiere pro形式の動画 $30 – $50

    Adobe EffectやPremiere proで、キャラクターや、背景、テキストなどを自由に編集することができます。ちょっとした変更なら無料でやってくれるそうです。

     

    というわけで、$100の引換券は、ブログやFacebookページなどを持っていて、それをパワーアップしたいと思っている個人事業主やフリーランスの方にとてもおすすめです。

    個人をブランディングとは何かということを、非常によく理解しているエインとスカイプで60分の戦略会議をすることで、どのようにあなたを表現したらよいのか、様々なアイディアが出てくると思います。そして、そのアイディアをもとにロゴとグラフィックを作成します。

    グラフィックは、ブログやFacebookのヘッダ画像に使ったり、バナー広告に使ったり、様々な使い方ができると思います。

    さらに、エインの作るムービーのコレクションの中から動画や画像を選び、ブログにオープニングムービーなどをつけることができます。テキスト・背景・キャラクターの変更などの簡単な編集は無料でやってくれるそうです。

    これで、$100(約12000円)は、かなりお得です。

     

     

    では、この「田原真人.com」のようなパワフルな個人サイトをNoovoで作ってもらいたいという方はどの引換券がおすすめでしょうか?

    そういう人には、$1000 の引換券がおすすめです。

    ちなみに田原真人.comは、$2000(約24万円)でNoovoと杉岡さんのコラボで作成しました。これも、相場からするとかなり安いですが、クラウドファンディングの引換券でサイトを作成する場合は、その半額で、このくらいのパワフルなサイトを作ることができます。

    自分だけの特別でパワフルな個人サイトを作ろうと思っている人は、チャンスだと思います。

    $1000の引換券の内容は、

    ▪ Lifelong brand strategic meeting
    ▪ We will produce your business or brand completely (ideas, art, motion graphics, publishing, web design, logo, advertisement design, publishing)
    ▪ You will be listed down as one of our big investors & sponsors
    ▪ You can buy 3 of our designs exclusively (only you’ll have it)
    ▪ Author rights in our blog
    ▪ Feature in magazine on its release (different from contributor’s newsletter)

    つまり、

    1)エインと、ブランディングについてスカイプで戦略ミーティングをする。(僕、杉岡さん、青木さんもNoovoのアドバイザーになっていますので、必要があれば参加します。)

    2)ミーティングをもとに、オリジナルのロゴ、グラフィック、オープニングムービーなどを含むWebサイトを製作する。さらに、告知用のムービーなども制作する。

    3)あなただけのオリジナルのデザインを3つ購入できる。

    4)Noovoのサイトやメールマガジンでパートナーとして紹介します。

    シンプルなWebサイトなら$500の引換券でも作れますが、$1000の引換券だと、相場よりもかなり安く、しかも、あなたらしさを十分に理解した上でオリジナルの動画やグラフィックを豊富に使用したブランディングサイトを作ることができるので、こちらのほうがおすすめです。

    このようなパワフルな個人サイトは、あなたの未来を切り開いていってくれるので、そのための投資だと考えることができると思います。

    結論としては、今あるサイトをパワーアップするなら$100の引換券、パワフルな個人サイトを最初から作るなら$1000の引換券がおすすめです。

     

    個人的には、エインとのスカイプでの戦略ミーティングが、一番おすすめです。あなたの頭の中の壁がいくつも崩壊すると思います。

     

    引換券についての詳しい説明はこちら。(青木さんが日本語化を手伝ってくれました)

    Noovoのクラウドファンディングの引換券について

     

    Indiegogoで支援する方法については、こちらの日本語の解説が分かりやすいです。

    http://www.makuake.com/blog/crowdfunding/indiegogo/

     

    ★エインさんがクラウドファンディングに挑戦中です。
    締め切りまであと8日。
    達成金額7000USD, 現在1131USD
    https://www.indiegogo.com/projects/noovo-a-brand-building-startup/x/9455632

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  • 自分の凡庸さを認めると見えてくる世界がある

    自分の凡庸さを認めると見えてくる世界がある

    若いころの僕は、自分に才能がないことに薄々気がついていたものの、それを認めることができませんでした。

    現実の否認が、自分の外側に虚栄の殻を作り、それが内面の成長を一層と妨げていたように思います。

    20代後半から30代前半にかけて味わった挫折のおかげで、自分の凡庸さをようやく認められるようになりました。

    それは、ちょっと肩の荷が下りたような感じもありました。

    自分の凡庸さを認められるようになると、自分の心に大きな変化が生まれました。

    人の優れたところが見えるようになってきたのです。それまでは、きっと嫉妬心が邪魔をして目が曇っていたのでしょう。本当に、霧が晴れたように見えるようになってきました。

     

    エインと出会ったのは、僕が40歳のとき。その才能に本当に驚きました。こんな18歳がいるのかと。

    世界認識の抽象度の高さが、とにかくすごい。そして、物事の本質に一直線にたどり着くわけです。

    本当に、「なんじゃこれは?」というような感じでした。

    同時に、もし、自分の凡庸さを認めることができていなかったら、エインの凄さには気づかなかっただろうなと思いました。

    そのとき、エインと出会う準備ができていたからこそ、出会うことができたのだと思います。

     

    エインは、狂気の世界について、しばしば、僕に語ってくれました。

    かつて挫折を味わったときに、合理的にはどうしても解決できない問題は、非合理的にしか解決できないのだということを体験し、メンタル的なカオスを通って向こう側に出ていくという体験をしました。

    そのおかげで、自分が感知できない世界を否定せずに受け止めることができました。

    そして、いろんなことをエインを通して学ぶことができました。

    エインにとって正気と狂気と創造性の関係は、非常に重要なテーマなのだと思います。

    今回、そのことについて語ったことで、エインの本気を感じています。

    Noovo物語5

    アートな狂気

    クレイジーさがあけすけに語られることは少ない。私がいつ絵を描き始めたか、その記憶はさだかでない。母はアーティストだったが、アートを嫌っていた。彫刻と絵画をやってはいたが、いつも「パイロットになる、空を飛びたい!」と言っていた。そしてそれを実現させた。しかし、結局は嫌ってやまないアートの世界に戻ってくることになったのである。名の知れた航空会社の副操縦官を務めていたものの、ある日こう言った。「エイン、飛行機に乗って飛んだところで鳥のようには感じられない」、と。退職後また作品制作を始め、私を連れてアメリカ合衆国のとある静かな場所へと移り住んだが、そこでは絵でも描くより他にすることは何もなかった。五歳までの私の人生は、ざっとそんなものだ。覚えていることと言えば、街中で迷子になったことと油絵具の入り混じった記憶だけだ。

    絵を描く人間は往々にして理解されない。それとも、理解されないからこそ絵を描き始めるのか。

    人にはそれぞれのアウラ(aura)がある。ミュージシャンが赤だとすれば、絵描きは青のことが多い。初めてマサトからカズキを紹介されたとき、この人は青だと感じた。この人は、この人にしか見えない世界に暮らしてきたのだ、と。アーティストは――私がアーティストだと思う人たちは、往々にして自分にしか見えない世界を持っている。そしてしばしば、彼らが目にしている世界と、そうでない人たちの目にする世界とのギャップが、「どうかしてる」と言わしめるほどに大きくなる。ゴッホやゴーギャン、ミケランジェロのように。私の知るアーティストたちでの話だが、みな一度ならず精神病院に送り込まれた経験がある。かくいう私もその一人だ。

    日本語を学ぶうち、精神科医のコイズミ・ミツオと知り合った。私たちは長い時間をかけて、離人症や統合失調症、鬱病、精神病、狂気について語り合った。正気と狂気の境目を本当に知っている人間なんていはしない。アートに生きる人間からすれば、狂気はクリエイティブな精神状態(state of mind)の一つであり、狂気を越えたその向こうに発想(idea)がうねり、計り知れない想像の源(power to create)がある。

    ショーキとキョーキを判別できる人間がいるとはとても信じられないが、精神(mind)が感じることのできる無限の可能性と、感情(feeling)それ自体が狂気を欲するのだということを私は疑わない。今まで実際に出会ってきた中には、アートを嫌うアーティストも少なくなかったが、キョーキに触れたことを後悔する人間は一人としていない。

    (原文:ART INSANITY

    Noovo物語6へ続く

    ★エインさんがクラウドファンディングに挑戦中です。
    締め切りまであと9日。
    達成金額7000USD, 現在930USD
    https://www.indiegogo.com/projects/noovo-a-brand-building-startup/x/9455632

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