分断を乗り越えて繋がることは、誰にとってもエンパワーになる

熊本地震が起こってから、ずっと心がざわついていた。

最初は、その理由がよく分からなかったが、少したって、それが、東日本大震災の記憶を呼び起こしているからだと気づいた。

東日本大震災は、僕にとって自分を変容させる大きなきっかけとなった。

当時、僕は、仙台に住んでいた。

地震、津波、原発事故・・・

目まぐるしく変わる状況の中で、家族の安全を確保するためにどうしたらいいのか、ほとんど寝ないでネットで情報収集しながら、毎日、何かしらの決断をしていくという日々が続いた。

僕達は、その後、仙台を離れることに決めた。心の中で感じていることを言うのが憚られ、多くの感情が抑圧され、棘のように心に刺さったままになったように感じた。

被害の状況は人によって様々で、置かれている状況も様々・・・。

ある人にとってのよい決断が、別の人にとってよい決断とは限らないわけなんだけど、違う決断をすることが、別の人の決断を否定してしまうような気がして、僕を含めて、多くの人が口をつぐんでしまったように思った。

当時の僕のコミュニケーション力では、その分断を超えてつながり直すことができず、自分自身に無力感を感じた。

「反転授業の研究」を始めたのは、人と繋がりたいという欲求が、かつてないほど強まっていたことが関係していると思う。

対話を通して人と深いレベルで繋がり、協力して何かを成し遂げていくことを学ぶことが、分断を超えてつながる力を身に着けていくことになると思った。

東日本大震災の後、5年間で多くのことを学び、かつてはできなかったことができるようになってきた。

熊本×反転G「支援を反転する」

熊本地震が起こったときに、自分の中で起こった反応は、「あの分断が、再び繰り返されるのか」ということだった。

それが、自分を落ち着かない気持ちにした。

ただ、5年前と違うのは、自分は、多くの人たちとオンラインで繋がっていて、思っていることや感じていることをお互いに話して、受け止めることができる安心安全の場があるということ。

「反転授業の研究」のメンバーには、熊本在住の仲間も多く、4月18日の夜、10人以上でZoomで集まって話をすることができた。

最初は、自分の心の反応が表面化していて、それが、発言にも出てしまっていたため、周りから心配されるほどだった。

でも、話をしているうちに落ち着きを取り戻すことができ、熊本から繋いでくれていた溝上広樹さんの声を聴きながら、自分の状態を把握できるようになってきた。

筒井洋一さんから出てきた「支援を反転する」というアイディアは、僕たちが「反転授業の研究」でやってきたことを象徴するようなものだった。

安心安全の場を創り、熊本からの声を受け止めていくこと。

言い憚られることを、受け止めていくこと。

これが、かつてはできなかったけど、今の自分たちならできることだと思った。

今の自分は、無力ではないということを確認することは、僕にとってもとても勇気づけられることだった。

熊本×反転G「支援を反転する」

メンタルケアの匿名チャット「くまココ」

熊本の避難所にいる大学院生の片橋匠さんとは、様々な活動を一緒にやっている。

彼が「昼間はいいんですが、夜は本当に怖い」と言っていたのを受けて、ロンドン在住の起業家であるエインさんが、匿名で交流できるチャットアプリを作った。

それが、「くまココ」

くまココにはこちらから自由に参加できます。

エインさんは、熊本でのPTSDの発症を心配し、次のように言っていた。

PTSDが最初から出る理由は、
Lack of connection
どうしても理解されない孤独

この企画にすぐに乗ってきたのが、仙台でSawa’s Cafeを営む佐藤さわさん。

彼女も、東日本大震災で人生を大きくシフトした一人。

さわさんは、Facebookで次のように呼びかけた。

おはようございまーす!
有志でこんなの作りました!

【くまココ〜だいじょうぶ。夜もずっと、ここにいますから】

「くまココ」は、熊本地震で安心したい人と、励ましたい人をつなぐ、有志による匿名、顔出し不要のチャットです。↓↓↓

http://sawascafe.com/kumakoko

避難所で眠れずに、誰かに気持ちを聴いて欲しくなったとき、
先がみえない不安に押しつぶされそうになったとき、
弱音や愚痴で構わないから、気持ちを書き込んで欲しい。

被災地外のかたは、ココロに寄り添う返信でご協力ください!
とくに、東日本大震災を経験したあたし達は、役に立てるはず!

拡散よろしくお願いしますm(_ _)m

フランスから広本正都子さんも有志のボランティアに参加してくれました。

せつこさんは、社会変革ファシリテーターのBob Stilgerさんと、「よく生きる研究所」の榎本英剛さんが企画した東北ラーニングジャーニーで、通訳をされていた方です。ラーニングジャーニーに参加していたさわさんとつながり、今回は、時差を利用して深夜の見守りを中心に活動してくれます。

せつこさんからのメッセージはこちら

私は去年11月福島でご一緒してさわさんと知り合いました。今はフリーランスで活動中です。東北は大槌や陸前高田などでボランティアしたり、その他訪問しました。私もオンラインの可能性にとても注目していて、グローバルにできることを模索したいと思っています☆ よろしくお願いいたします!

エインさんが、早速くまココのロゴを作りました。

kumakoko01

匿名チャットに、安心安全の場を創って、言いにくいことを吐き出していくことで、「どうしても理解されない孤独」を乗り越えていきましょう。

阪神大震災や東日本大震災の経験を持っている人は、特に力になれるのではないでしょうか。

そして、力になれると感じることが、自分自身の癒しにもつながっていくと思います。

 

『アクティブ・ホープ』を読んだときに、世界には2つの力があるということが書いてありました。

・支配する力

・つながる力

僕達は、どうやって「つながる力」を強めていくことができるのか。

学びながら、進んでいきましょう。

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