アクティブ・ホープ(1):この本に出合うまでの物語

今日から何回かに分けて『アクティブ・ホープ』という本についての感想を書いていきたいと思う。

この本とは、まさに巡り合うべきタイミングで巡り合ったと感じている。

感想を書くことを通して、自分がどこから現在地へたどり着き、これからどこへ行こうとしているのかを言語化したいと思っている。

第1回目の今回は、2年前から始まった学びの旅の途中で、どのようにしてこの本にたどり着いたのかについて書きたい。

学びの旅の物語は、僕が、この本を読む理由を説明してくれると思う。

縁を辿っていくうちに『アクティブ・ホープ』にたどり着いた

2年間に渡り、縁を辿っていくうちに『アクティブ・ホープ』にたどり着いた。

これだけの縁のつながりが、たった2年間で起こったことだとは、今考えても信じられないほどだ。時代の変化と、それに伴う結晶化のプロセスが起こっていて、その中に自分が巻き込まれていることを感じる。

一番最初のきっかけは、関西で力強く教育を変え続けている杉山史哲さんとつながったことだったような気がする。

反転授業オンライン勉強会登壇者紹介~杉山史哲さん

杉山さんは、「反転授業の研究」に早い段階から参加してくれて、オルタナティブな教育について豊富な知識を持つ杉山さんから、僕は、未来の教育についての様々なことを教えてもらった。

今、僕が使っている教育系の用語のほとんどは、杉山さんから聞いたものだったりする。

 

杉山さんが発する情報をフォローしていたら、杉山さんが「場つくりの師匠」と呼ぶ嘉村賢州さんのことを知った。

当時は、ファシリテーションの興味を持ち始めていた頃だったので、嘉村さんの話を聞いてみたいと思ってインタビューさせてもらった。
場とつながりラボhome’s viの代表理事、嘉村賢州さんにインタビュー

インタビューを通して、U理論のことや、コーチングを日本に持ち込んだ榎本英剛さんの存在を知った。

U理論の翻訳者である由佐美加子さんとは、ワークショップ動画への感想を送ったことから交流が始まり、2月には一緒にオンラインワークショップを開催することになった。由佐さんのワークショップ動画は、本当に素晴らしいのでぜひ見てほしい。

信じていることを純化させて祈りとして解き放つ

嘉村さんの発する情報もフォローするようになり、しばらくしたころ、嘉村さんの紹介で、『未来が見えなくなったとき、僕たちは何を語ればいいのだろう』という本の存在を知った。

東日本大震災の後、社会変革ファシリテーターの著者のボブ・スティルガーさんは、東北を回り、コミュニティ再生を助けるためにフューチャーセッションや、アクティブ・ホープのワークなどをして回っていて、その様子を本に綴って出版したのだ。

この本を読んでいるうちに、自分の現在地とこれから進むべき方向が見えてきて、長いレビューを書いた。

Bob Stilger著『未来が見えなくなったとき、僕たちは何を語ればいいのだろう』が社会的変容への地図となる

社会変革という言葉が、僕の中にずっしりとした重みを増してきて、同時に、自分が「反転授業の研究」でやってきたことが、どのようにして社会変革に繋がっていくのかがイメージできた。

この本を読むまでは、僕にとってファシリテーションとは、教室の中でするものに過ぎなかった。

しかし、この本の中に出てくるファシリテーターは、自分たちで立ち上がろうとしている人たちが集まるところに現れて、自己組織化のプロセスが回ることを助けていた。

今までオンラインコミュニティ運営を通して学んできたことを、もっと役立てられないかと思い始めた。

どうしても著者のボブさんと話をしたくなって、スカイプで話をした。

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未来は旧システムの周辺部から立ち現れる~共創的教育の芽吹き

ボブさんと話しているうちに、周りを巻き込んで立ち上がっていこうとするときに、「パワフルな問い」がいかに重要なのかということに気づいた。

また、ボブさんから「あなたは、Amazing personだ。Natural connecterだよ。」と言われたことが、自分の強みを知るきっかけになった。

ボブさんとのミーティングは、多くの繋がりをもたらしてくれた。

このミーティングをきっかけに、多くのファシリテーターと繋がった。

僕をファシリテーションに導いてくれた恩人の一人、ワールドカフェホストのAmy Lenzoさんが、ボブさんと志を同じくする友人であることを知り、ちょうどワールドカフェ20周年イベントが日本で開催されるということもあり、Amyさんへスカイプインタビューをして応援することにした。

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エイミー・レンゾーさんインタビュー

また、僕をファシリテーションの世界へ導いてくれたもう一人の恩人、香取一昭さんとも改めて繋がったことをきっかけに、エイミーさんが主催するオンラインワールドカフェに参加させてもらった。

それをきっかけに、荒金雅子さん、シュトウ直子さん、平井雅さん、宇佐見博志さんといったパワフルな人たちと次々とつながり、新しい世界が目の前に開けてきた。

ここからは、今後、いろいろなコラボレーションが生まれていくような気がしている。

ボブさんから、三田愛さんと話したほうがよいと勧められ、コクリ!ラボの三田さんをインタビューした。彼女から聞いたコクリのプロセスや、コクリとパーマカルチャーとの関係は、僕の中の新しい扉をさらに開いた。

コクリ(Co-Creation)で地域創生を進める三田愛さんインタビュー

ボブさんに自分の物語を話し終えたときに、ボブさんが、「榎本ヒデさんを知っている?」と聞いた。

榎本さんのことは、嘉村賢州さんから話を聞いて以来、ずっと心の中に残っていて、気になっていた。

ボブさんの中で、僕と榎本さんが重なる部分があるから、僕が自分の話をしたときに榎本さんのことを思い出して口に出したのではないかと思った。

榎本さんと話をすることで、道が開かれるんじゃないか

そんな直感があり、榎本さんに連絡を取ってスカイプでお話をさせてもらうことになった。

スカイプをする前に、榎本さんのことをよく知りたいと思い、「よく生きる研究所」のHPを隅から隅まで読んだ。

特に榎本さんのLife Journeyには引き込まれた

Life Journey 「よく生きる」実践の物語

これを読んだとき、一言でいうと、榎本さんは、僕が今進んでいる道の数歩先を歩いている人だということが分かった。

榎本さんにお話をうかがったときに一番印象に残った言葉が、「エンパワー」という言葉だった。

榎本さんは、これまでやってきた3つの活動

・コーアクティブコーチング

・トランジションタウン

・チェンジ・ザ・ドリーム

のすべての根底にある共通点がエンパワーということなのだと語っていた。

それらを統合する形で「よく生きる研究所」を立ち上げたのだそうだ。

僕にとっての重要なキーワードである自己組織化は、増幅とシンクロによって引き起こされる。

これは、榎本さんが語っているエンパワーと同じものだと思った。

榎本さんが、フィンドホーンでパーマカルチャーを通して学んできたことと同種のことを、僕は、農業生物学者の故・明峯哲夫さんとの10年間の対話を通して学んできたのだと思った。

農業生物学者から教わったこと

見ている世界がシンクロしていると思った。

ただ、僕と榎本さんの大きな違いは、何も持たずに素手で取り組んでいる僕に対して、榎本さんは、効果を上げるための様々な方法論やスキルを身に着けていることだった。

僕の場合は、この2年間、何かに突き動かされるようにして動いてきたが、変化のスピードが速すぎて、想いだけが先行していて、そこに知識やスキルが追い付いていないのだ。

そこで、榎本さんを手掛かりにして学んでいくことにした。

僕にとってのトランジションタウン活動は、「外国ルーツの子どもたちの学習支援」をきっかけに集まった支援者のオンラインコミュニティに自己組織化を起こして、持続可能な活動を生み出していくことだ。オンラインの対話を重ねながら、集合知によって現場の問題解決を支えていく方法を探っていく。

ここでの学びは、今後、次々と中央からの支援が打ち切られていくであろう「周辺部」の人たちが、外の人たちとどのように繋がり、助け合いながら立ち上がっていくのかを探るものになるはずだ。

外国にルーツを持つ子どもたちへの支援が未来の教育へのヒントになる

チェンジ・ザ・ドリームシンポジウムを運営しているNPO法人セブンジェネレーションズ代表の宇佐見博志さんと、ワールドカフェイベントで繋がり、僕たちのグループが持っているオンライン講座の運営ノウハウを生かしてコラボレーションするための可能性を模索している。

チェンジ・ザ・ドリームシンポジウムのホームページ

榎本さんを手掛かりにして学び始めた直後に、『アクティブ・ホープ』の出版のニュースが届いた。

榎本さんやボブさんが、ジョアンナ・メイシーのアクティブ・ホープのワークを受けていて、それを、様々な場面で使っていたのを知っていたので、まさに学びたいタイミングで、本が出版されたのがうれしかった。

この本との出会いは、僕の活動を、確実に一歩前へ進めてくれるものだと確信している。

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東北ラーニングジャーニー

『アクティブ・ホープ』が手元に届く直前に、榎本さんとボブさんが、東北ラーニングジャーニーという2泊3日の学びの旅を行った。

福島の現実に対峙し、その後、アクティブ・ホープのワークを通して力強い動きを生み出していくというものだ。

自分は参加できなかったので、何かの形で応援したいと思った。

支援金という形で寄付をしようかと思ったが、それよりも、この旅に参加することでエンパワーされる人を繋いでいったほうがよいのではないかと思った。

何人かの友人に声をかけたところ、反応してくれたのが仙台でSawa’s Cafeをやっている佐藤さわさんだった。

 

さわさんも、僕も、東日本大震災のとき、仙台に住んでいた。

そして、震災をきっかけに人生の方向性を大きく変化させた。

彼女は、今、力強い活動を生み出していて、東北ラーニングジャーニーに参加することで、その勢いが加速されていくのではないかという気がした。

そして、それは、現実のものになった。

旅のまとめ~東北ラーニング・ジャーニー2015

さわさんから、アクティブ・ホープのワークの感想をスカイプで聞いたことと、旅から戻ってきたさわさんの力強い動きを見て、その効果を実感した。

さわさんは、ラーニングジャーニーで繋がった縁をきっかけに、1月30日にSawa’s Cafeでチェンジ・ザ・ドリームのワークショップをやるそうだ。

2月に行う予定の由佐美加子さんを講師としたオンライン講座にも、さわさんは、運営ボランティアとして参加してくれることになっている。

今後、新しいコラボレーションを進めていくときのキーパーソンになってくれるはずだ。

世界中で厳しい現実が現れているが、それと呼応するように、希望も生まれていることを感じている。

縁を大切にしながら、周りをエンパワーすることで、自分もパワーアップしていく。
今回は、僕がこの本にどのようにして辿りついたのかについて書いたけど、次からは、本の内容について感じたことを書いていきます。

この本が、多くの人の手に届き、多くの人が自分たちの力を信じて行動する助けになることを祈っています。

アクティブ・ホープ(2):大転換 

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