11月7-8日に、ベトナムのホーチミン市へ行ってきました。
それをきっかけに素敵な物語が生まれたので、みなさんにシェアしたいと思います。
第1章 ホーチミンのKARAPPO
7日にホーチミン工業大学で、反転授業についてのプレゼンテーションを行い、次の日に、知り合いに勧められたコミュニティカフェ「KARAPPO」を訪問しました。
KARAPPOは、Mifuki Boutique Hotelというホテルの8Fにあり、エレベーターを降りるとこのような光景が広がっていました。
ガラスドアの内側にも席があり、そこに入るとKARAPPOを経営している矢野周平さんと高橋遼さんが僕を待っていてくれました。
2人と握手をして、早速、お互いのことを話し始めました。
矢野さんは、海外を巡る生活をしようと思い、日本語教師の資格を取ってベトナムへ来たのだそうです。
そこでベトナム人の奥様と結婚し、海外暮らしの最初の国で定住することになったと笑っていました。
前からコミュニティカフェをやりたいと思っていて、1年半前に同じく日本語教師の高橋さんと知り合って意気投合。
一緒にコミュニティカフェ「KARAPPO」を立ち上げたのだそうです。
矢野さんの話をうかがっていて、僕が考えていることとシンクロするところがたくさんありました。
ここで、何をしようかって決めていないんですよ。流れに任せるのが大事だと思っています。
いろんな人が、この場で繋がってくれればいいなと思っています。
この場のお客さんが自由にこの場を創ってほしいと思っています。だから、店の名前を「KARAPPO」にしたんです。
これは、場に自己組織化を起こすときのファシリテーションの考え方そのものだと思いました。
矢野さんや、高橋さんは、日本語教育や語学学習についても、教師がコントロールするのではなく、学ぶ側が自分の意志で工夫して学ぶことを大事にしていて、根底にある考え方が、アクティブラーニングや反転授業と通じることろがありました。
教育について、時間を忘れて、3人で熱く語り合ってしまいました。
その後、オンラインの可能性についての話になりました。
僕が、
語学学習にオンラインコミュニケーションを使うと、いろいろ可能性広がりますよね。
この部屋から日本に繋ぐこともできるんですから。
日本語学習している人にとっては、モチベーション上がりますよね。
というと、矢野さんも、高橋さんも、いろんなアイディアを出してくれました。
何となく、何かできそうな予感を抱きながら、KARAPPOを後にして、飛行場へ向かいました。
第2章 Sawa’s Cafe
KARAPPOとコラボして何かできないかなーと思いながら、飛行機の中でアイディアマラソンノートを取りだし、いろんなことを書いているうちに、
そうだ!Sawa’s Cafeと繋いでみよう!
と思いつきました。
Sawa’s Cafeは、宮城県仙台市にあるコミュニティカフェです。
店主の佐藤さわさんは、「お客さんが楽しむための場を提供したい」というポリシーで運営しています。
店でいろんなイベントをやっていて、さわさんは、
お店は単なる箱で、中に入って活動する人によって雰囲気が自由に変化すればいいんです。
とおっしゃっていました。
そうです。Sawa’s Cafeのさわさんが語る理想と、KARAPPOの矢野さん、高橋さんが語る理想は、仙台とホーチミンで、強くシンクロしているんです。
さらに、最近、さわさんは、「Sawa’s Cafe持続化プロジェクト」というFacebookグループを立ち上げ、お客さんと一緒にSawa’s Cafeをどう持続可能にしていくのかを考えるという面白い試みを始めたところで、そこでのテーマは、
リアルとオンラインを組み合わせて何かできないか
ということでした。
Sawa’s CafeとKARAPPOを繋いでみたらどうか?
こんなことをアイディアノートに書きつけました。
第3章 Green Bird Cafe
国境を超えて、オンラインで集まって語り合うと、どんなことが起こるんでしょうか?
僕は、ビデオチャットを使った対話セッションなどを、ほぼ毎月、企画しています。
丁寧に安心・安全の場を創って対話をすることで、他の人の考えを取り入れることができるようになり、一人では考えられないような様々な角度から問題を捉えられるようになり、意識のキャパシティが広がっていくという経験をしています。
対話のメンバーに多様性があるほど、対話の効果が大きくなります。
だから、国境を超えて語り合う機会が、とても大切だと感じています。
海外に住んだことがある人は、日本に住んでいたときに比べて考え方の幅が広がったという経験をしていると思います。
自分が当たり前だと思っていたことが、日本国内だけでしか通用しない常識だったことに気づくことは、大きな衝撃です。
でも、これだけオンラインコミュニケーションが発達した現在、かつては海外に住まなくては経験できなかったようなことを、ビデオチャットでも経験することが可能です。
国境を超えて語り合う・・・・それだけのことでも、大きな価値があるのです。
僕は、そのような場を創りたくて、Green Bird CafeというFacebookグループを作りました。
しかし、国境を超えて語り合うための場を創るのは、簡単ではありません。
国境を超えて参加する人を集めるのが難しいのです。
でも、Sawa’s CafeとKARAPPOというリアルの場があれば、そこを訪れる人たちを繋ぐオンラインの場を創ることができるし、さわさんと、矢野さん、高橋さんが、安心・安全の場を創ってくれるのです。
国境を超えたオンラインカフェGreen Bird Cafeを開催する1つの可能性が見えた気がしました。
早速、さわさんと矢野さん、高橋さんに連絡を取り、相談した結果、6日間連続で、2つのカフェをビデオチャットで繋ぐことになりました。
4人とも、何が起こるんだろうとワクワクしました。
第4章 初日からミラクルが
11月10日10時(日本時間)になり、仙台とホーチミンの2つのコミュニティカフェが、オンラインで繋がりました。
Sawa’s Cafeには、テーブルの横にiPadが置かれ、このような張り紙が。
その日は、Sawa’s Cafeで、ライアーという琴のような楽器の演奏会があり、その演奏は、ホーチミンのKARAPPOにも響き渡りました。
そして、その日は、信じられないようなミラクルが起こりました。
あるお客さんが、「なんとなくSawa’s Cafeに行かなければならない気がする」ということで、Sawa’s Cafeにいらっしゃいました。
そのお客さんは、亡くなったお母さんがベトナム人で、お墓がホーチミンにあるとのこと。
Sawa’s Cafeに入ったら、ホーチミンに繋がっていてびっくり。
KARAPPOの矢野さんのパートナーのHaさんと、久々に使うというベトナム語でやり取りされていました。
こんな感じでビデオチャットしていました。
KARAPPO側は、こんな感じ。
両方のカフェで、訪れたお客さんが、画面の向こう側に興味津々。みなさん、楽しんでいたようです。
遠くと繋がるということは、それだけでワクワクします。
世界が繋がっていることを実感することができます。
繋がることで、お互いの場に価値が生まれます。
あなたが繋がってくれることで、さらに価値が高まります。
この試みは、11月15日(日)まで続けます。
Sawa’s CafeやKARAPPOを訪れてもいいですし、あなたの自宅からビデオチャットで訪問することもできます。
訪問してみたい方は、Green Bird Cafeの中でURLを公開していますので、こちらに参加申請してください。



