グローバルからプラネタリーへ社会原理を変革する
画一的なグローバリズムから、個別性と全体性が調和するプラネタリーな社会へ。
科学 × デジタル × 対話を融合し、社会変革をデザインする。
はじめまして。田原真人(たはらまさと)です。大学院で物理学を専攻したあと、教育分野でキャリアをスタートし、現在は、分野を超えて相互に繋げる社会変革デジタルファシリテーターとして活動しています。この公式サイトは、田原の活動の全体像を知っていただくためのものです。
About(理念・コンセプト)
1. 望ましい状態の定義
田原真人は、個人、組織、社会の各次元で「部分が個別性を持ちながら全体と調和する状態」の実現を目指しています。これは、惑星思考(プラネタリー・シンキング)と呼ばれています。具体的には、以下のような状態を考えています。
次元 | 望ましい状態 |
---|---|
個人 | 自己生成しながら、自分らしい生き方を実現 |
組織 | 生命的で創発的な組織 |
社会 | 多様性を包摂し、共創的に進化する参加型社会 |
2. 現状の課題
現状は、「部分を画一化することで、全体を統一する」という状態が大勢を占めています。強者が自分に有利なように標準化し、それを周りに広げていくのがグローバリズムです。このパラダイム(画一化・統一志向)が、内側や外側の自然システムとの齟齬を生み出し、現代の社会課題を引き起こしていると考えています。
次元 | 現状の齟齬 | 課題が生む現象 |
---|---|---|
個人 | 自己疎外 | 生き方の喪失、自己否定 |
組織 | ヒエラルキー管理・硬直化 | 創造性の欠如、メンタル問題 |
社会 | カテゴリ同士の分断 | 組織・国家間紛争、不平等、 マイノリティ排除 |
プラネタリーを実現する3つの土台
田原真人が、惑星思考(プラネタリー・シンキング)に基づく新しい社会デザインと、その状態への変容のプロセスを考えるうえで大切にしている「サイエンス×デジタル×対話」の3つの要素について説明します。
サイエンス
量子力学
「部分が個別性を持ちながら全体と調和する状態(プラネタリー)」とは何か?
田原は、そのヒントを物理学の一つの分野である「量子力学」から得ています。
量子力学では、全体性を持った高次元空間と、私たちが認識する現実空間とを観測と生成によって結び付けています。部分と全体とが一貫している状態を「コヒーレント」と呼びます。また、高次元空間において全体が調和しており、そこに個別に関わると、関わり方に応じた生成が起こるという現実のあり方を「エージェンシャルリアリティ」と呼びます。これらの概念との出会いが、望ましい状態を考える上での、そして、対話に取り組む上でのインスピレーションの源になっています。
複雑系
個人、組織、社会の複雑な相互関係を研究するのが複雑系です。田原は大学院で複雑系を研究し、部分が個別化していくはたらきと、全体で均質化していくはたらきとの相克の中で生じるグループダイナミクスのカオスや秩序や自己組織化を、複雑系理論をもとに考えています。参加型のファシリテーション理論であるArt of Hostingは、複雑系理論を参考に作られています。
相転移
鉄を冷やしていくと磁石になり、水を冷やしていくと氷になります。このようにシステムの状態が急激に変化することを相転移と言います。田原は大学院での研究をもとに、社会のパラダイムシフトを相転移と関連付けて、変化のプロセスを理解しています。相転移プロセスは、様々な領域で見られます。
デジタル
「部分を画一化することで、全体を統一する(グローバル)」という方法は、それが考えられた状況では、多くの人々が幸せに生きるための最善のものだったかもしれません。しかし、デジタル技術の発展によって状況は大きく変わりました。現在のデジタル技術を活用すれば、「部分が個別性を持ちながら全体と調和する状態(プラネタリー)」を実現する新しい方法を見つけられるかもしれません。
個人・組織・社会が生成的になるには、「拡散⇒創発(構造化・意味の生成)⇒収束」のプロセスの充実が重要になります。田原は、拡散と創発をデジタルによって強化するデジタルファシリテーションの実践に取り組んできました。
拡散の強化⇒Zoom革命
新しいアイディアが生まれるためには、多様な視点が必要です。しかし、同じ環境にいる人同士は似通った考えになりがちです。遠くにいる人同士がZoomで繋がることで、「拡散」が強化されます。
構造化の強化⇒Miro革命
拡散によって生まれた多様なアイディアの種が、相互にどのように関係しているのかを構造化することが、新しい考えの創発にとって重要です。大きさに制限のないオンラインボードMiroを用いると、「構造化」が強化されます。
意味の生成の強化⇒AI革命
多様なアイディアの種を繋げて新しい意味を生成する推論がアブダクションです。生成AIを、アブダクションを支援する強力なツールとして使うと、「意味の生成」が強化されます。
対話
『ダイアログ』の著者で、量子力学者のデイヴィッド・ボームは、自分の前提を保留して、コミュニケーションが「一貫する(コヒーレントになる)」ようになるのが対話の目的だと言いました。その背景には、「全体性を持った高次元空間と、私たちが認識する現実空間とを観測と生成によって結び付いている」という量子力学の発想があります。田原は、個人や組織が、相互に境界を超えて全体性と繋がり、より大きなシステムの一部としてとらえ直せるような対話をファシリテーションすることを心がけています。
推論形式(カオスサーチ・アブダクション・演繹・帰納)を状況に応じて切り替え、必要に応じてデジタルを活用し、合意形成やアイディア創発を強化していくことで、望ましい個人、組織、社会の状況を生み出していきます。
共創的変容の4 Step
田原は、旧来の社会システムから、次の社会システムへの共創的変容のプロセスを次の4ステップで捉えています。
- Step 1 直観に従ってプロトタイプを作る(コンテンツ)
- Step 2 実践をメタ認知して普遍化する(メソッド)
- Step 3 実践コミュニティで社会実験(コミュニティ)
- Step 4 他の実践コミュニティと生態系になる(エコシステム)
それは、社会変容のモデルTwo Loops モデルのセカンドループ(青い線)に相当します。
近代社会の画一的・統一的方法が行き詰る中、教育、研究、企業、福祉、メディアの各分野が、Step 1~4のプロセスを経て共創的変容を起こしていくと考え、それぞれの分野が、次のステップに進めるように、分野横断的に関わっています。以下で、各分野の取組みを具体的に説明します。
教育:プラネタリーを実現する学び
段階 | 活動名 | 活動内容 |
Step 4 エコシステム | 蜃気楼大学 プラネタリーラーニング | 分野横断的な教育フェス 組織横断的な学習デザイン |
Step 3 コミュニティ | 反転授業の研究 | 主体的学びの学習コミュニティ |
Step 2 メソッド | 反転授業 AI共創ラーニング | 動画を活用した主体的な学び AIと仲間との共創的な学び |
Step 1 コンテンツ | フィズヨビ 算数道場 | 動画でマイペースで物理を学ぶ AIとマイペースで算数を学ぶ |
研究:異分野の統合と共創へ
段階 | 活動名 | 活動内容 |
Step 4 エコシステム | 参加型社会学会 | オルタナティブアカデミズム |
Step 3 コミュニティ | 田原研究室 | 書籍と論文を書く在野研究者 |
Step 2 メソッド | 慶應AIC訪問研究員 | データ×フレーム×推論 |
Step 1 コンテンツ | AIファシリテーターデザイン AI翻訳と文学研究 | アテンションメカニズム関係 ポストヒューマニズムとAI |
企業:生命的で創発的な組織へ
段階 | 活動名 | 活動内容 |
Step 4 エコシステム | エコシステム開発 SD&I研究所 | AIでエコシステム創発を強化 サプライヤーダイバーシティ |
Step 3 コミュニティ | 両利きのDX | 効率型・創発型のDX |
Step 2 メソッド | 前人未踏型プロジェクト支援 | 新規プロジェクト伴走支援 |
Step 1 コンテンツ | 社会的バンド 社長DXコンサル | 複数のプロジェクトで働く AIを使って経営をDX化 |
福祉:包括的・当事者主体の支援へ
段階 | 活動名 | 活動内容 |
Step 4 エコシステム | (ネオソーシャルワーク) | これから |
Step 3 コミュニティ | ALLOUND | 実践者のコミュニティ |
Step 2 メソッド | ラップアラウンド | 当事者中心の包括的支援 |
Step 1 コンテンツ | ソーシャルワーカー研修 | ケアコーディネーター育成 |
メディア:参加型・多文化共創型メディアへ
段階 | 活動名 | 活動内容 |
Step 4 エコシステム | 本のあるところネットワーク | 新しい流通のあり方を追求 |
Step 3 コミュニティ | 株式会社「イコール」 | 新しい出版のあり方を追求 |
Step 2 メソッド | コミュニティ生成マガジン | コミュニティで雑誌を発行 |
Step 1 コンテンツ | 多言語マガジン「イコール」 | AI翻訳で言語の壁を超える |
田原真人プロフィール
田原真人は、サイエンス(物理学)とデジタルファシリテーションを統合し、「共創的変容デザイン」を提唱する社会変革ファシリテーターです。
大学院では物理学を専攻し、量子力学・複雑系・自己組織化・相転移の理論を探究し、細胞性粘菌の集合と形態形成の数理モデルを研究。現象の根底にある「部分と全体の高次元コヒーレンス」の原理に触れました。その後、この科学的知見を社会システムや組織、教育に応用し、デジタル技術と対話の融合による共創プロセスを実践しています。
デジタルファシリテーションの先駆者として、ZoomやMiro、生成AIを駆使し、多様な人々・文脈をつなぎ合わせる場をデザイン。教育、研究、企業、福祉、メディアといった領域を横断し、現状の課題を構造的に捉え、未来へのシフトを促進するエコシステムを構築しています。