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  • アンテナを張り巡らせると偶然性をキャッチできる

    アンテナを張り巡らせると偶然性をキャッチできる

    1つのフレームが決まると、そのフレームの中であれこれ考えたり、学んだりするので、比較的安定した状態が続きます。

    この安定した状態のときって、アンテナが立っていないんですね。外に興味が向いていない。

    大学院を中退して、予備校講師として収入を得なくてはならなくなったとき、ぐぐぐぐっとアンテナが伸びていく感覚がありました。

    人生の危機に瀕して、生きていくために必要な情報を集めようと必死になっている感覚。

    ちょっとしたことでも見逃さずにキャッチして、手掛かりにしたいという感覚。

    その中で、なんとか自分なりに物理を教える形を作ることができ「田原の物理」というものをブランディングすることができました。

     

    予備校で、それなりのポジションを得て、ちょっと安心したころには、かつて張り巡らせていたアンテナはだいぶ短くなり、感覚も鈍化していたように思います。

    再びアンテナが立ったのは会社を起業してネットで講座販売を始めたとき。11年前のことです。

    資本金が用意できないから無理かなと思っていたら、法律が改正されて、1円でも有限会社が作れるということになりました。確認有限会社というもので、確か3年以内に資本金を400万円に増やさなければ自動消滅するというルールだったと思います。

    資本金の問題がクリアできたので、資本金100万円で確認有限会社を作りました。それが、僕が初めて作った会社、有限会社 熊猫舎(くまねこしゃ)です。

    1円で起業できるという制度を利用して作った東京で2番目の会社でした。電話で取材されたのを覚えています。

    登記するためには、書類を作らなければならないのですが、司法書士に依頼するお金を節約するために、『会社の作り方』というCD-ROM付の本を買って、その中にある書類のテンプレートの「王茂雄」とか「長嶋貞治」という名前のところを「田原真人」に置き換えて、自分で書類を作りました。

    自分でやろうと思って、ネットで調べてやれば、何とかなるんだなと思いました。

    次に顧問税理士を探すために、ネットで調べていくつか回りました。役所の無料税理士相談にも行きました。

    その無料税理士相談で出会った廣井誠さんが、親身になっていろいろアドバイスしてくれたので、この人にお願いしようと思って顧問税理士になってもらいました。

    廣井誠税理士事務所とは、それから10年以上の付き合いになり、そのときの直感は正しかったと思っています。

    会社を作り、Webで講座販売を始めるようになり、再びアンテナがグググッと伸びていきました。

    物理の無料講座を受講してくれていた人の中に、秀和システムの編集者の畑島賢正さんがいて、書籍の執筆の話をいただきました。それをきっかけに、畑島さんとのつきあいがはじまり、今、3冊目の本を書いているところです。

    アンテナが伸びているときは、たくさんの出会いが生まれたり、小さなことにも敏感に気づいたりします。起業して1-2年の頃は、いろんな出会いがありました。

    しかし、起業して5-6年が過ぎ、フィズヨビがある程度成長して安定期になったころには、再びアンテナも短くなり、感覚も鈍化していきました。

     

    そんなときに東日本大震災があり、原発事故が起こりました。

    日本はどうなってしまうのだろうか。

    子供の将来はどうなるのだろうか。

    自分はどうやって生きていくべきか。

    頭の中を思考がぐるぐる回って、眠れない日々が続きました。

    10年以上続けていた予備校講師を辞め、ネットからの収入だけで生活するようになりました。

    生きていくための試行錯誤が始まりました。

    引っ込んでいたアンテナが、再びニョキニョキと伸びて、いろいろなものをキャッチし始めました。

    こういうときは、すごい勢いでいろいろなことが起こります。

    VoiceLinkに出会って、反転授業の研究とか、新しいオンライン教育ビジネスをやろうと思って意気込んで、東京で1週間ほどミーティングをして回っていた2012年頃、とにかく道で偶然、知り合いとばったり出くわす確率が半端じゃありませんでした。

    ブックオフに入ると、執筆中の編集者にばったり出くわし・・
    池袋の駅で、予備校の同僚に10年ぶりにばったり出くわし・・

    そういうのが1日に1度ならず、2度、3度と続いたときには、いったいこれは何だろうかと思いました。

     

    もしかしたら、そのような偶然は、普段から起こっているのかもしれません。

    でも、アンテナを張っていないときには気づかないのかもしれませんね。

    すぐ近くを通過しても、そこに意識を向けていなければ気づかない。

    こちらがアンテナを張っていて、あちらもアンテナを張っていると、お互いが引き合うように出会ってしまう。

    同じ時代を共有し、同じ危機感を教諭していると、アンテナを伸ばすタイミングにシンクロが起こるのではないでしょうか?

    そして、お互いに共鳴して出会ってしまう。

     

    シンボルアーティストの杉岡さんとは、きっとそのようにして出会ったのだと思います。

    杉岡さんが、「マイシンボルアートのりんかく」という連載を始めました。

    「第1話 名前」では、人知を超えた偶然が好きだという話が出てきます。

    そのような偶然は、決して受動的なものではなく、見ようと思って見た人だけに訪れるものではないかと思います。そして、見る力に秀でた杉岡さんには、普通の人よりも多くの「偶然」が見えているのではないかと思います。

     

    2/12 21:30から杉岡さんのマイシンボルアートの「オンライン個展」を行います。僕も司会で登場します。

    マイシンボルアートというのは、その人の個性をシンボルとして表すパーソナルアートのことです。

    → 無料の「マイシンボルアートのオンライン展覧会」について詳しく見る

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  • 成功と失敗を見届ける覚悟がLearningできる場を創る

    成功と失敗を見届ける覚悟がLearningできる場を創る

     

    Learningにおいて最も大切なのは、トライアル・アンド・エラーすることができる場です。

    うまくいくかどうか分からない状況でチャレンジすることこそが、成長につながるのです。

    だから、僕は、何かを学ぼうとするときには、ある程度のリスク管理はした上で、「危ういところ」へと突き進みます。

    失敗が起こらない状況は、学びのチャンスを逸していると感じてしまうからです。

    自分なら、それができるんです。

     

    しかし、子どもや、生徒に対してとなると、別の難しさが生まれます。

    「失敗しないで、成功させてあげたい」

    という気持ちが生まれてしまうのです。

    「こうやれば、うまくいく」という方法が見えてしまうということも原因の1つです。

    それを伝えてあげたい。

    手伝ってあげたい。

    そういう気持ちがムクムクと生まれてきます。

     

    しかし、それは、自分自身の「欲」なのだと思います。

    なぜなら、学習者としての自分は、そのようなアドバイスを必ずしも求めていないからです。

    学習者としての自分は、自分の目で、手で、体で、全力で世界にぶつかって感触を確かめたいと思っていて、成功と同じくらい、失敗も求めています。

    そして、その感触から、世界を認識したいと思っています。

     

    サポートしたいのであれば、失敗したときに致命的なことにならないように支援すること。

    「失敗しないで、成功させてあげたい」という自分の「欲」を抑制し、きちんと成功と失敗を見届ける覚悟を持とうと思います。

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  • 自由な人が生きられる世界を創るための道が見えてきた

    自由な人が生きられる世界を創るための道が見えてきた

    今年の年末年始は、Noovoのクラウドファンディングに全力投球でした。

    ロンドン在住の20歳の友人、エインさんの考えていることを、断片的には聞いていたものの、まとめてアウトプットするのを読んで、改めて「天才」じゃないかと思いました。

    普段は考えない「そもそも」の部分をエインさんからの刺激を受けて考えていくことで、自分の行動の根っ子の部分を掘り起こすことができて考えが整理されました。

    実は、昨年の11月頃までは、「KnowCloud」を始めるのを躊躇していたんです。

    個人が自分の好奇心に従って自由に学んでいくのをサポートするシステムが必要だと思う一方で、考えれば考えるほど理念と整合性がある形でキャッシュポイントを見つけるのが難しくなってしまっていました。

    そして、「継続可能なサービスを作るためには、キャッシュポイントを見つけなければならない。キャッシュポイントを見つけないとスタートできないのではないか?」と自問自答する日々が続いていました。

    考えて、考えて、考えた結果、結論が出ました。

    これだけ考えても見つからないのだから、KnowCloudにはキャッシュポイントを作ることを考えるのはやめて、とりあえず一歩踏み出そう。

    そう考えたら、思考の枠組みが外れて、違うことを考えられるようになりました。

     

    KnowCloudだけで考えるのではなく、KnowCloud + Noovoで考えて、Noovoで全体を運営するための収益を出してもらえばいいんじゃないか?

     

    というアイディアが頭の中で浮かんだのです。

    ちょうどその頃、Noovoのクラウドファンディングをエインさんが唐突に始め、「自由な人が生きられる世界を創造する」ためにどうしたらいいのかということを考え始めました。

    エインさんにとっては、「生きること」と「学ぶこと」が切り離せないものです。

    生きるために学び、学んだことを使って創造して生きる・・・・。

    生きる→学ぶ→創造する→生きる→・・・ というサイクルが回り続けているのです。

    でも、これって、本当は生き物としてすごく自然なことなんじゃないかな・・という気がしてきました。

     

    そのように考えたら、KnowCloudで主体的に学ぶことをサポートして、みんなの創造性をどんどん伸ばして、そして、そこで育ってきた人たちが創造性を発揮して生きられるようにNoovoでサポートするというイメージが湧いてきました。

    そして、KnowCloudやNoovoで出会った人たちが、win-winの関係をお互いに結んでコラボしていけるようにサポートしていけばいいんじゃないか。

    主体的で自由な学びと、主体的で自由な生き方とは、同じものの2つの側面なので、それらを総合的にサポートして、自由な人が生きられる世界を創造する仲間を増やしていこうと思います。

    同じ方向を向いている人たちとは、win-winの関係を結んで、一緒に進んでいきたいです。

    ビジョンが見えてきたので、2015年は力強く前へ進めそうです。

     

    最後にクラウドファンディングの最終日にエインさんが発したメッセージを紹介します。

     

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  • 自由な人の居場所のある世界を創造したい

    自由な人の居場所のある世界を創造したい

    宇宙のあらゆる構造は、カオスと秩序のはざまに存在しているのではないでしょうか。

    大学院で複雑系を研究し、自己組織化やカオスといった概念に触れてから、ずっとこのような見方をするようになりました。

    そして、感じるのは、「今の社会は秩序が強すぎる」ということ。

    個の自由度がシステムに束縛されすぎていると感じています。

    このバランスを変えていくための方法は2つあって、システムを弱めるか、個を創造的にしていくかです。

    でも、今存在している巨大なシステムを変えていくのは多大なエネルギーが必要になります。一方で、個を創造的にしていくことは、テクノロジーの進化によって、安価に実現可能になってきています。

     

    2年前、18歳だったエインとスカイプで話していて、カオスの縁(edge of chaos)の話をしました。

    そのときに見せた動画がこれです。

    秩序状態から、だんだんカオスを強めていくと、あるところでフラクタル的なパターンが生まれ、その後、カオス的になっていきます。

    フラクタル的なパターンが現れるところがカオスの縁(edge of chaos)。

    もっとも生き生きとしている状態です。

    そこは、大きな構造と中くらいの構造と小さな構造が共存している世界。システム全体の創造性が最大化している状態です。

    社会をカオスの縁に近づけることができたら、もっと多様な人が幸せに生きていけるのではないかと思いました。

     

    そして、そこへ至る道を2つ考えました。

    (1)個人が創造性を発揮して作った小さなビジネスがうまくいくためにブランディングを助けること。

    (2)個人が創造するために、好奇心を持って学ぶ環境を創ること。

    前者がNoovoで、後者がKnowCloudで実現したいことです。

    この2つのプロジェクトは、世界をもっとフラットにして、カオスの縁へ近づけていくための車輪の両輪なのです。

     

    18歳だったころのエインは、いつも言っていました。

    「この世界には、自由な人が生きる居場所がない。」

    でも、20歳になったエインは言います。

    「自由な人の居場所を、私はクリエイトする。」

    そして、決意を固めて動き出した第一歩が、このクラウドファンディングでした。

    恐る恐る踏み出した第一歩に、たくさんの支援をもらえたことで、彼女は大きな力を得たと思います。

    そして、その力をもとに豊かな才能を発揮して、世界に自由に生きる隙間をたくさん創造してくれると思います。

    Noovo物語10

    虚しさはもういらない

    クリスマスや新年を迎えるころになると、至るところが輝かしく、通りは人で埋め尽くされ、花火が上がる。こういったものを、みんなちゃんと感じ取れてるんだろうか。何年もの間、私は抜け殻そのものだっだことがある。花火や街路のきらめきも、私に届くことは決してなかった。

    私はいつだってアイディアを思いつくことができたし、それは子供のような溢れるイマジネーションのおかげだと思う。子供というのはみんなそうしたものだ。私はオトナになったことがないということでもある。子供というのはみんな天才性を持っていて、その人のIQがどうだろうと、オトナになるというのはバカになるのと同義だ。私は、発想に関わるものだったり何かを作り出すという話題でない限り、いまだにきちんとした話をするのが得意でない。複数人と会うようなミーティングでは自分を抑えるよう努め、そうしたお芝居が長く続いたときなどは、私の頭脳が痛めつけられる。マサトはそれが分かっているから、選び抜いた人とだけ話せばいいようにしてくれている。私がMyeworldを立ち上げていたころは、大勢の人間と話すことが続き、仕事が終わると、私の心はすっかりがらんどうになる。そんな毎日だった。それこそ、鏡の前に立ち、自分ではない誰かを見ているようなもの。「これはいったい誰? 私はどこ?」

    私にはお金の意味がよく分かるけれど、それは十二歳から十四歳手前の二年間、毎日そればかり勉強していたからだ。でも私は好きになれない。価値(value)がないと分かっているのだから。お金が有する唯一の価値というのは、それ自体に価値がなく、変動値(variable)だという事実そのものだ。

    そのことを最初に私に教えてくれたのは、私より四~五歳年長の、幼なじみの若い投資家だった。私が家と学校から逃げ出した時、彼のところに居候していた。男性というものを嫌ってはいたけれど、母によく似た指先をした彼のことを嫌いではなかった。彼が勉強するときは必ず、その横で私も勉強したということ。苦手に感じない唯一の人だったから、四六時中引っ付いていた。彼は、それがどんな馬鹿げたアイディアから出たものにしろ、Win-winの状況であれば大金を投じることができた。そしてそれが私のお気に入りのゲームの一つになったわけだ。それはいまも変わらない。あるアイディアを耳にすると、それを適用する方法が即座に頭に浮かぶ。彼がやりたかったことと、私が今やっていることはだいたい一致している。そう、作り出すことは希望だから。希望そのものと言ってもいい。何かを作り出すとなれば、自分自身について考えることをやめる、たとえ私と同じく人嫌いでも、他者のことを考え始める。それでハッと気づくのだ。そこにはもう「ワタシ」はいない。自分の存在自体が何かを作り出すための環境の一つになる。川や、海原のように。

    この世界では、多くの人が自分のことを考えるばかりで、他人はもちろん、身の回りの世界を気にすることもしない。そうした人々の周囲もまた同じことをするばかりで、消えることのない虚しさがいつも漂っている。これではWin-winの状況を形づくることはできないし、だから限りある可能性しかなくなってしまう。誰かが勝てば、誰かが負ける。そんな状況にはうんざりだ。Win-winを作り出すなんていうのはごく簡単なことだ。ちょっとの間自分のことを忘れるだけ、そして他人のことを考えるだけでいい。

    (原文:THROWING AWAY THE EMPTINESS

    ★エインさんがクラウドファンディングに挑戦中です。
    締め切りまであと47時間。
    目標金額7000USD, 現在2741USD
    https://www.indiegogo.com/projects/noovo-a-brand-building-startup/x/9455632

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