アチーバスで気づいたカオスで「左脳」を止める重要性


12月15日、京都精華大に「反転授業の研究」のメンバーが集結。さらに、ベトナム職業訓練校の幹部の方たちも加わり、ずっと以前から挑戦してみたかったアチーバスをプレイしました。

アチーバスというのは、協力型ゲームの一種で、鈴木利和さんが、チームが自己組織化するためのトレーニングツールとして利用していることから、前々から興味を持っていました。

最初に、鈴木さんから、「組織が動くために簡単な方法は、トップダウン型のヒエラルキーにすることだが、そうではなく、固定されたリーダーをおかずに機能する組織を作るためにはどうしたらよいか?」という問題提起がありました。

これを教室に置き換えると、「教師が教室をコントロールして動かすのではなく、生徒が自分から動くような状況を作るにはどうしたらよいか?」という問いになります。

それを、頭で考えるのではなく、ある種の体験をして、それを振り返ることによって理解を深めようというのが鈴木さんのアチーバスセッションです。

僕のテーブルには、江藤由布さん、筒井洋一さん、松嶋渉さん。隣のテーブルには、角田愛さん、ギュンター知枝、ベトナム職業訓練校の幹部の方2人。4人ずつ2グループに分かれてスタートしました。

「手札を教える以外は、何をしてもよい」

と鈴木さんに言われ、練習プレイをしました。

「何をするといいのか」が分からない状況から気づいていくのがポイントかなと思いました。

練習プレイの後、僕がワークシートに書き込んだのは次の通り。

●初めてのことをする時に混乱します。楽しそうにやって直感を働かせるためにどんなことを心がけますか?

→ 他の人の気づきを取り入れるためにシェアすることを呼びかける。

●それをやるとどうなるの?

→ 成功法則をみんなでシェアできている状態

ということで、「気づきを口に出してシェアしていくぞ!」と心に刻んで本番に臨みました。

しかし、実際にやってみると、よく分からない状況にぶつかったときに、それを理解しようとして動きが止まってしまうという状況が生まれました。

結局、僕たちのチームは60分以内に全員が17枚のカードを揃えることができず達成できずに終了。

達成できなかった原因の1つは、「成功法則を見つけようとする意識がはたらき、プレースピードが遅くなった」ということでした。

これは、とても面白い気づきでした。

成功法則を見つけるためには、とりあえず理解しようとしないで、どんどんやってみるということが必要になります。よく分かっていないカオスの状況を、無理に理解しようとせずに、直感だけを働かせて進むわけです。

でも、実際にやってみると、どうしても「理解しよう」という気持ちが生まれ、歩みが止まってしまいます。

そして、進まない限り、いくら理解しようとしてもカオスであり続け、カオスから抜け出せないのです。

逆に進めば、試行錯誤からいろいろな情報が入ってきて、自然とやるべきことが見えてくるんですね。

「カオスでは左脳を止めて、右脳を働かせ、直感を手掛かりにどんどん進む」

ということの重要性を、アチーバスの体験を通して、今までよりも深く理解することができました。

achivus